12球団最少の48犠打の埼玉西武が勝負所で見せた送りバント
■埼玉西武 13-5 福岡ソフトバンク(18日・メットライフ)
クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ初戦を落としたリーグ覇者・埼玉西武。18日に行われた第2戦は、前夜のお返しとばかりに序盤からの猛攻。福岡ソフトバンク投手陣から大量13得点を挙げての大勝で、アドバンテージを含め対戦成績を2勝1敗とした。
序盤は打ち合いとなったものの、中盤は立ち直った先発・多和田と福岡ソフトバンク3番手・高橋礼がともに好投し、なかなか追加点が入らない膠着した展開となった。
辻監督は「野球あるあるかもしれないが(優勝争いの最中だった)9月の福岡ソフトバンク戦でも、こういう展開があった。今日は7回表、2死一、二塁のピンチを切り抜けての得点だったから、あそこで勝負あった」とポイント挙げた。勝敗を分けたのは7回に一挙4点の追加点を奪い、勝負を決めた場面だ。
この回先頭の森が四球で出塁すると、この日、スタメン復帰した外崎が打席へ。ここまで3打席ノーヒットの外崎に「あそこは1点が欲しかった」と、指揮官は今季12球団最少の48回とシーズン中には多用してこなかった犠打のサインを送った。
シリーズ初安打を放った秋山は「チームの流れも良くなった」
外崎は指揮官の期待に見事応え、初球できっちりバントを決めると、続く金子侑も四球を選び一、二塁とチャンスを広げる。そして、ここまでノーヒットの秋山がシリーズ初ヒット。これがタイムリーとなり二塁から森が生還。さらに、栗山のタイムリーなども飛び出し試合を決定付けた。
お膳立てを無駄にせずきっちりとタイムリーを放った秋山は「ああやってバントを決めてくれたことが、僕のタイムリーにもつながったし、あそこで一発で決めたことで、チームの流れも良くなったと思うので、打ちたいというのがあったと思うが、いいつなぎをしてくれたなと思います」と感謝の言葉を送った。
「(打てなかった時は)僕も助けてもらいましたし、明日は外崎が打って、誰かを助ける可能性もある。そうやって最後まで行ければいい」と秋山。
お互いをカバーしながら、つないで得点を重ねていく「普段通りの全員野球」でこのファイナルステージも戦うリーグ覇者・埼玉西武。これでアドバンテージを含め2勝1敗。CS突破まではあと2勝だ。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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