「獅子おどし打線」が帰ってきた。強力打線が真価を発揮した埼玉西武が壮絶な打撃戦を制し、「パーソル CS パ」第2戦を13対5で快勝。アドバンテージの1勝を含め、対戦成績を2勝1敗とした。
第1戦では10対4で敗れたものの、打線では浅村選手の勝ち越し適時打に加え、山川選手と栗山選手に本塁打が生まれるなど打線そのものは好調だった。試合後の「さあこれからですよ」という辻監督の言葉通り、18日の試合では選手に本来の力が完全に戻った。
試合は1回裏からいきなり動きを見せた。2番・源田選手が安打で出塁すると、2死から4番・山川選手の死球で早くも2死1,2塁の好機を演出する。ここで5番・栗山選手がミランダ投手の高めに浮いた変化球を完璧に捉え、2試合連続となる3ランを右翼席に叩き込む。「ランナーを返す事だけを考えていた」と語るベテランが、豪快な一発で初回から3点の援護をもたらした。
だが、ファイナルステージの大舞台。試合はそう簡単には進まない。続く2回表、失策も絡んで福岡ソフトバンクが3点を返してまさかの同点に。17日の試合でも逆転負けを喫していただけに、嫌なムードが漂い始めた。
しかし、打線の力でここから流れを取り戻すのが今季の埼玉西武。同点とされた直後の2回裏、2死1,2塁から源田選手の適時打で勝ち越しに成功すると、続く浅村選手が内角低めの直球をうまく捉え、左翼席に運ぶ値千金の3ラン。「流れを引き戻すホームランになったと思う」という言葉通り、頼れるキャプテンの一発で試合は埼玉西武の4点リードとなる。
ただ、先発・多和田投手がなかなか踏ん張り切れない。3回表、1死から3者連続の四球で満塁とすると、中村晃選手に2点適時打を許し、点差を2点に縮められる。
再び試合は福岡ソフトバンクの追い上げムードとなるかに見えたが、打線が再び流れを呼び込む。2番手・大竹投手から2死1,2塁の好機を作ると、源田選手が2打席連続となる適時打を放ち、リードを3点に広げる。今季打率.230と苦しんだ左投手から猛打賞を記録し、大舞台でまた1つ成長を見せた。
後半戦に入っても、打線は攻撃の手を緩めなかった。6回裏、1死満塁の好機から栗山選手の適時打で1点を追加すると、続く7回裏には秋山選手のシリーズ初安打となる適時打などで一挙4得点を奪い、リードを8点に広げた。
打線の頼もしい援護を受けた多和田投手も完全に落ち着きを取り戻し、4回以降は福岡ソフトバンクを1安打に抑える好投。7回表からは増田投手、マーティン投手、ヒース投手がそれぞれ1イニングずつを投げて無失点。終わってみれば、13対5の大量リードでの勝利となった。
今季、数多くのドラマチックな試合を見せてきた「獅子おどし打線」は、この大舞台でもメットライフドームを大歓声で包み込むか。1点の重みが大きい短期決戦、19日の第3戦も目が離せない展開となりそうだ。
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