天候不順が続くも史上最多、1試合平均は3万人目前
NPB公式戦は10月13日の中日-阪神戦、千葉ロッテ-東北楽天戦で、全858試合を消化した。天候不順のため、CSファーストステージと日程が重なる異例の事態だったが、最終的に観客動員は、前年よりも41万1256人多い、2555万719人だった。
NPBは2005年から観客動員が実数発表となったが、今年の観客動員はそれ以前も含めて史上最多。1試合平均の観客動員は2万9779人となり、3万人目前になっている。
各球団の観客動員を見ていこう。
◯セ・リーグ 順位は12球団での順位、()は昨年の順位。%は昨年の平均観客数との対比。
1(2) 巨人 300万2347人 平均4万1699人 +0.1%
2(1) 阪神 289万8976人 平均4万831人 -3.1%
4(4) 広島 223万2100人 平均3万1001人 +1.1%
5(6) 中日 214万6406人 平均3万231人 +8.3%
6(7) 横浜DeNA 202万7922人 平均2万8166人 +1.0%
8(8) 東京ヤクルト 192万7822人 平均2万7152人 +5.0%
NPBは143試合制のため、各球団の主催試合数は72試合の年と71試合の年が交互になっている。巨人は今年72試合だったこともあり2年ぶりに300万人を突破。反対に71試合の阪神は300万人を割った。
阪神は、平均観客動員も4万2148人から1300人ほど減少。天候不順で振替試合が多かったことも大きいが、成績不振も影響しているだろう。広島は横ばい。マツダスタジアムの定員は3万3000人。94%近い動員率。伸びしろがあまりない状態だ。
大幅に増加したのが中日。昨年の1試合平均は2万7927人だったから2000人以上増えた。春のキャンプの観客大幅増は松坂大輔効果と言われたが、ペナントレースにその効果が波及したか。
横浜DeNAの観客動員は初めて200万人を突破。横浜スタジアムの定員は12球団最小の約3万人。動員率はこちらも94%。来春へ向けて3500席を増設する工事が進んでいる。昨年、最下位に沈んだ東京ヤクルトは、2位に躍進して平均観客は5%増加。200万人を目前にしている。
セ・リーグ観客動員は1423万5573人。平均3万3183人、前年より1.5%増加した。
東北楽天は3.9%減、千葉ロッテは激増
◯パ・リーグ
3(3) 福岡ソフトバンク 256万6554人 平均3万6149人 +3.0%
7(5) 北海道日本ハム 196万8916人 平均2万7731人 -4.3%
9(10) 埼玉西武 176万3174人 平均2万4833人 +6.9%
10(9) 東北楽天 172万6004人 平均2万3972人 -3.9%
11(12) 千葉ロッテ 166万5133人 平均2万3127人 +13.2%
12(11) オリックス 162万5365人 平均2万2575人 -0.4%
福岡ソフトバンクは3%の増加。12球団で3位の座をキープ。北海道日本ハムは4.3%減。観客動員が200万人を割った。大谷翔平の移籍が響いた可能性はあるだろう。埼玉西武は6.9%の大幅増。昨年後半からチームが好調なこともあり平均で2万5000人に迫っている。
東北楽天は昨年はCSに出場したが、今年は春先から下位に低迷。梨田監督も辞任。これが響いたか3.9%減。激増したのが千葉ロッテ。チームは6位から5位に上がったが、井口新監督の効果か、福浦和也の2000本安打カウントダウンの影響か、1試合当たり2700人もの増加となった。オリックスは微減だった。
パ・リーグ観客動員は1131万5146人。平均は2万6376人。1.8%増はセよりも多いが、好調のチームと不調のチームがはっきり分かれたのが気がかりだ。
若年の野球人口が急減している中、プロ野球の観客数は拡大を続けている。この現象が今後どのように変化するか、注目していきたい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)
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