10月2日の試合結果を受けて、パ・リーグの1位から3位までの順位が確定した。これにより、「パーソル CS パ」の会場と組み合わせも決定。シーズン2位の福岡ソフトバンクが、ホームのヤフオクドームで同3位の北海道日本ハムを迎え撃つこととなった。
福岡ソフトバンクの工藤監督と、北海道日本ハムの栗山監督がクライマックスシリーズで対戦するのは、今回が2回目。ともに強豪チームを率いる両監督が相まみえたのは、意外にも2年前の2016年が唯一だ。北海道日本ハムが最大11.5ゲーム差をひっくり返し、奇跡の逆転優勝を飾ったシーズン。そこで、両チームが最後に対戦したこのシリーズを振り返るとともに、当時活躍した選手たちを挙げていきたい。
2年前のファイナルステージは北海道日本ハムに軍配
優勝確実とされた状況からまさかの屈辱を味わった福岡ソフトバンクは、2016年のクライマックスシリーズファーストステージで3位の千葉ロッテを相手に2連勝を飾り、早々とステージ突破を決めた。失意のシーズンのリベンジを果たし、3連覇への望みをつなぐため、勢いをつけて札幌へと乗り込んだのだ。
当時北海道日本ハムには、投手部門と野手部門(指名打者)の双方でベストナインを受賞し、日本でキャリアハイのシーズンを過ごした大谷選手が在籍していた。ファイナルステージ初戦の先発を託された不世出の剛腕は、鷹打線を相手に7回1安打、無失点の好投で勝利投手となり、前年王者の勢いを止める圧巻の投球を見せつける。
しかし、福岡ソフトバンクも意地を見せた。第2戦では、1点を追う9回にマーティン投手から3点を奪い、見事な逆転勝ちをもぎ取る。第3戦は、初回に4点を奪った北海道日本ハムが制し、日本シリーズ進出に王手をかける。だが、第4戦では12安打5得点と打線が奮起した福岡ソフトバンクが反撃し、シーズン同様、見応えのある攻防が繰り広げられた。
そして迎えた第5戦、福岡ソフトバンクは前日の勢いそのまま初回に4点を先取。しかし、北海道日本ハムも鷹投手陣を攻め立て、5回までに7得点の猛攻で鮮やかに試合をひっくり返す。最後は、指名打者を解除してマウンドに上がった大谷選手が、日本プロ野球史上最速となる165キロを記録して締めくくり、リーグ王者の北海道日本ハムが日本シリーズ進出を決めた。
こうして、ポストシーズンにおける唯一の対戦では北海道日本ハムに軍配が上がった。当時北海道日本ハムの主力だった大谷選手、増井投手、谷元投手、マーティン投手、バース投手、陽選手はFAなどでチームを離れたが、全5試合で4番に座り、打率.333、2本塁打5打点と活躍した中田選手や、同じく全試合出場してリードオフマンの役割を果たした西川選手、打率.389と打ちまくった近藤選手など、打線の中軸は今なお健在だ。
投手陣では、第3戦に先発した有原投手が、7回1失点の好投を見せ、キャリアハイのシーズンに花を添えている。今季は7月に月間MVPを受賞しながらも調子の波が激しく、安定感を欠く。苦しむ右腕に、ポストシーズンで名誉挽回の機会は与えられるだろうか。また、2016年のシリーズで2本塁打4打点と長打力を発揮したレアード選手の今シリーズ出場は、左脇腹肉離れによって危うい状況に追い込まれている。
ポストシーズンの経験も豊富な若鷹軍団。接戦となることは濃厚
対する福岡ソフトバンクは、同ファイナルステージにおいて、松田宣選手が打率.278、3本塁打5打点とさすがの働きを見せており、中村晃選手も打率.263ながら出塁率.364と持ち味を発揮していた。打率.294と、さすがのバッティングを披露していた内川選手は、11日のフェニックスリーグ、埼玉西武戦で一発を放ったが、大舞台に間に合うかどうかは未定だ。
鷹投手陣では、2016年はともに防御率0.00だった岩嵜投手とサファテ投手の不在が痛い。初戦の先発が濃厚な千賀投手は、1試合に登板して防御率0.00ながら、捕手のパスボールなどで4点を失った。2年ぶりとなるポストシーズンでの対戦で、北海道日本ハムを相手にリベンジを果たし、極めて重要となる初戦での白星をチームにもたらせるだろうか。
プレーオフ(クライマックスシリーズ)制度が導入された2004年以降、福岡ソフトバンクと北海道日本ハムはともにリーグ最多5度の優勝を果たした。両者ともにリーグを代表する強豪として、10年以上にわたって強い存在感を維持し続けている。
だが、意外なことに、この2チームがクライマックスシリーズファーストステージで対戦するのは今シリーズが初めて。「超短期決戦」とも形容される独特の雰囲気を持つこの舞台で、はたして両雄はどのような戦いぶりを見せてくれるだろうか。
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