エンゼルス大谷、巨人の原前監督、高橋監督らからもメッセージ
■北海道日本ハム 5-4 千葉ロッテ(10日・札幌ドーム)
北海道日本ハムの矢野謙次外野手が10日、本拠地・札幌ドームでの千葉ロッテ戦で引退試合に臨んだ。栗山英樹監督からの先発出場の打診を辞退して「代打の切り札」として、1点リードの7回2死一塁の場面で登場。千葉ロッテの唐川侑己投手から4球連続ファウルで粘った後、7球目を弾き返して三遊間を破り、現役最後の打席で左前安打を放った。
総立ちでガッツポーズするチームメートに向かって、一塁ベース上で右手を上げた矢野。巨人と北海道日本ハムで通算16年のプロ最終打席でも無類の勝負強さを見せつけた矢野は「ハルキ(西川選手)から始まったイニングで、タイシ(大田選手)がヘッドスライディングをしてセーフになって……。翔(中田選手)は凡退して、すれ違いざまに『すみません』と言ってくれて。みんなの思いが伝わって、うれしかったですけれど、そういう思いを消そう、消そうと思って打席に臨みました。結果、ヒットになって良かったです。いい場面をお膳立てしてくれた監督、コーチの方々、チームメート。みんなに感謝します」と、最後の打席を振り返った。
試合後のセレモニーでは、キャプテンの中田翔内野手と巨人時代からのチームメートである大田泰示外野手、さらに国学院久我山の高校の先輩でもある千葉ロッテの井口資仁監督のほか、2人の子供たちからも花束を贈られた。引退セレモニーでのスピーチを終えると、場内には北海道日本ハムのチームメートやエンゼルスの大谷翔平投手、巨人時代の仲間、そして巨人時代の原辰徳前監督、高橋由伸監督らからのメッセージビデオが。最後は仲間たちの手で10回、胴上げされて宙を舞った。
2万2572人のファンの前で矢野が行った引退スピーチは以下のとおり。
「まずはじめに、きょうこの場を用意してくださったファイターズスタッフの皆様、関係者の皆様、そしてご来場くださったファンの皆様、本当にありがとうとざいます。
16年間一度もレギュラー取ったこともなく、生え抜き選手でもない私にこれだけの晴れ舞台を用意してくださったことに心から感謝いたします。
私はこのプロ野球の舞台で16年間プレーさせていただきました。ジャイアンツで過ごした12年半では、1球たりとも隙を見せてはいけない勝負の厳しさを学びました。ファイターズで過ごした3年半では野球を心から楽しむことを学びました。両チームで学んだことをこれからの人生に生かしていこうと思っています。
偉大な先輩方、苦楽を共にしてきた同級生のみんな、かわいい後輩たち、本当にありがとうございました。16年間で最高の仲間に出会えて、一緒に野球が出来て、私は本当に幸せ者でした。
けがが多かった私はジャイアンツ、ファイターズ、両チームのトレーナーとドクターの皆様にも大変お世話になりました。皆様の献身的なサポートのおかげで、けがを恐れず、常に全力でここまでプレーすることが出来ました。本当にありがとうございました。
また、こんな私を支えてくれた家族、両親、兄弟、学生時代の仲間たち、札幌での生活をサポートしてくださった皆様、本当にありがとうございました。
そして、大学時代の恩師である竹田監督、私に野球への取り組み方、考え方を徹底して教え込んでくださり、プロに進んでからも常に見守ってくださり、アドバイスをくれ、正しい道を示し、私を導いてくださいました。竹田監督と出会っていなければ、私は今、この場に立っておりません。この場をお借りして、ここから御礼申し上げます。今までご指導いただき、本当にありがとうございました。
チームは明日のシーズン最終戦の後、すぐにクライマックスシリーズファーストステージを迎えます。選手たちは3位からの巻き返しを胸にみんな意気込んでおります。ファンの皆様の熱い声援、後押しをどうぞよろしくお願い申し上げます。また、宮崎で鍛錬に励むファームの選手たちへの応援も重ねてよろしくお願い申し上げます。
けがをしている間もスタンドで全力で私の応援を歌ってくださったジャイアンツファンの皆様、ファイターズに来てくれてありがとうと私を温かく迎い入れてくださったファーターズファンの皆様。皆様のことは決して忘れません。16年間、熱い声援、本当にありがとうございました。
最後に魂込めて叫ばせていただきます。
ファイターズ最高~!!
ありがとうございました」
記事提供: