引退登板は上林に右前安打「自分の中での真剣勝負できた」
■福岡ソフトバンク 10-2 千葉ロッテ(3日・ヤフオクドーム)
千葉ロッテの大隣憲司投手が、笑顔で引退登板を終えた。3日、昨季までの本拠地ヤフオクドームでの古巣福岡ソフトバンク戦。先発のマウンドに上がって打者1人に投げ、右前安打を許したものの、マウンド上では晴れやかな笑顔だった。試合後には、両チームの選手からマウンド付近で7回、胴上げされ、現役生活に幕を下ろした。
千葉ロッテ、福岡ソフトバンク両チームのファンから大きな歓声と拍手で迎えられた現役最後のマウンド。敵地ながら、登場時には自身の登場曲が場内に流れ、昨季まで聞き慣れたアナウンスで名前を呼ばれた。「登場曲も流してもらって。色々やってもらって、投げる前に感動しちゃいました」。最後のマウンドは上林と対戦した。
初球は137キロのストレートでボール。続く2球目も137キロのストレートで、これを上林に右前に弾き返された。「自分の中での真剣勝負が出来た」。その目に涙はなく、晴れやかな笑顔が浮かんだ。「もう少し球数投げさせてくれても良かったのにね(笑い)。スッキリするヒットを打たれました」。降板する際には工藤公康監督、井口資仁監督から花束を贈られ、両チームのファンからの温かい拍手でマウンドを降りた。
「最後に福岡で投げることが出来て終われて、両チームには感謝したいです。いい時も悪い時も慣れ親しんだマウンドで、懐かしいというか、これが最後か、と。泣きそうなところは何回もあった」というが、最後まで涙は見せず。トレードマークでもある笑顔を貫き通した。
この日はチームのヤフオクドーム最終戦でもあった。試合後、スタンドのファンへの挨拶を終えると、ベンチから昨季までのチームメートもグラウンドへ。マウンド付近に千葉ロッテ、福岡ソフトバンクの選手、監督、コーチらが集結すると、全員の手で7度、胴上げされた。
「帰ってくるときにベンチに(ホークスの選手が)いたので、何かあるな、とは思いました。皆さんに支えられてここまでやってこれて、7回も胴上げしてくれて嬉しい限りです」。2007年のプロ入りから12年。大隣憲司が、ユニホームを脱ぐ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
記事提供: