大谷は感謝「楽しく毎日野球ができたのは監督のおかげ」
エンゼルスのマイク・ソーシア監督が30日(日本時間1日)、今季最終戦の本拠地アスレチックス戦後に辞任を発表した。2000年からエンゼルスを指揮し、異例の長期政権を築いていた。
今季で10年契約が満了となるソーシア監督。8月上旬にはMLB公式サイトが今季限りで辞任すると報じていたが、その後、「バカげた話」などと否定。9月24日(同25日)には地元ラジオ局のインタビューで続投に意欲を見せていた。
しかし、この日、試合後の監督会見で「まず初めに、私は(監督を)辞任し、来シーズン再び指揮を執ることはないということを発表させていただきます。妻や家族と話しましたが、間違いなく、私にとっても球団にとっても正しい選択だと思います。素晴らしい19年間を過ごすことができました」と明言。さらに「そして何よりもまず、ビル(ストーンマン)に感謝します。1999年に私に(監督をすることを)賭けてくれました。私たち(監督・コーチ)にチームの指揮をとらせてくれたことを感謝します。普通は19年間も球団に残れるわけではないので、(この経験を)当たり前のことだと決して思っていません」と続けた。
「ジョン(カーピーノ球団社長)とビリー(エプラーGM)には感謝しています。彼らの球団に対する想いは非常に強く、球団内のあらゆる人たちに対する彼らのサポートは本物です。監督なら誰しもがチームの環境を常に気にかけるものです。クラブハウスやフィールド、飛行機での遠征の移動、トレーニングルーム。この19年間において、これらの環境は他のどの球団にも引けをとっていません」
こう話したソーシア監督は、声を詰まらせてから「コーチの何人かとは、親友になれました。私は本当に幸せです」と感謝した。会見には、主砲のマイク・トラウト、ジャスティン・アップトン、コール・カルフーンらが記者とともに出席。指揮官への敬意を表し、辞任表明を見守った。また、試合中にはソーシア監督の足跡を称えるVTRがスタジアムにイニングごとに流れるなど、退任ムードに包まれていた。
ソーシア監督は、懐疑的な声もある中で大谷翔平投手を二刀流で起用。オープン戦で不振だったときもその力を信じ、能力を最大限発揮させるために力を尽くした。試合前の総括会見では、大谷も「常にジョークを交えてコミュニケーションを取ってくれますし、本当にやりやすく、1年間やらせてもらえたと思いますし、そこには感謝しかないです。楽しく毎日野球ができたのは監督のおかげかなと思います」と話していた。信頼する指揮官が退任することで、来季以降の起用法に影響が出る可能性もありそうだ。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)
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