フレッシュな選手たちが上昇気流を生めるか?

パ・リーグ インサイト

2016.6.1(水) 00:00

楽天生命パーク宮城(C)PLM
楽天生命パーク宮城(C)PLM

楽天のオコエ選手が、1日の阪神戦でプロ入り初の適時打を放った。4点ビハインドの4回2死2塁、2ボール2ストライクからセンターへタイムリー二塁打。「タイムリーが打てて、素直に嬉しいです。追い込まれてから、ファームでやってきた経験を生かせた」とうなずいた。

前夜の5月31日はプロ初安打を含む2安打で結果を残すと、この日は初の長打。普段見せないノーステップで打ち返した。生きたのは二軍での経験。「横浜DeNAの久保さんと対戦したとき、速いクイックにタイミングが合わせられず、ノーステップで対応する技術を覚えた」。試行錯誤を打席でも繰り返し、着実な成長を遂げた。

しかも決して長打コースではない当たりに、快足を飛ばして2塁へ。「オーバーランした際、野手の動きを見て、隙があれば次の塁を狙おうと思っていました」と、走塁中も冷静に状況を判断し、好結果を生んだ。梨田監督も「今のウチに必要なこと」と、その走塁の姿勢を絶賛。開幕一軍切符はゲットしたものの、期待に応えられず二軍落ち。アマダー選手の負傷で5月末に再び一軍に帰ってきた。高卒新人ながらその潜在能力は誰もが認めるところで、注目度は今年一番だろう。約2カ月間、二軍で鍛錬を積み、飛躍のチャンスを得ようとしている。

チームは多くの借金を抱え、最下位に低迷。梨田監督は交流戦突入と同時に、思い切ったオーダーを決めた。オコエ選手のほか、ドラフト2位の吉持選手、3位の茂木選手、6位の足立選手と、新人4人がスタメン出場。完投した則本投手の投球も光り、見事白星で終えた。来季も見据え、若い力を試していくのは下位チームの宿命と言えるが、元気のないチームを活気付けるような若手の起用。この日は敗戦となったものの、3番を託された茂木選手はこの日3安打を放ち打率がついに3割を超えた。

上位との差は簡単に埋まるものではないが、若い力が勢いをもたらし、再びチームを活気づけられるか。

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