【試合戦評】首位の意地。一度は追い付かれながらも鷹が13連勝中の獅子の勢いを止める大きな白星

パ・リーグ インサイト

2017.8.5(土) 00:00

昨夜の試合では、中盤以降に7得点を奪った埼玉西武が福岡ソフトバンクを下し、1958年以来、59年ぶりとなる13連勝を飾った。今日はともに自身3連勝中の埼玉西武・多和田投手、福岡ソフトバンク・千賀投手がマウンドに上がり、中盤以降に点を取り合う激しい展開となった。

1回から3回まで、多和田投手が150キロ近い直球を軸に、変化球で緩急をつける投球。走者を出しながらも無失点に抑えると、対する千賀投手は155キロを計測する直球と落差の大きいフォークなどで凡打の山を築く。3回に大きなピンチを迎えるも、この場面を落ち着いて凌ぎ、悪い流れを断ち切る。

すると、4回表に千賀投手に援護点がもたらされる。まずは先頭の3番・松田選手が二塁打で出塁し、柳田選手、デスパイネ選手が連続四球で無死満塁。明らかに制球が乱れ始めた多和田投手の変化球を捉え、続く6番・中村晃選手が外野の間を割る2点適時二塁打を放つ。さらに上林選手の適時打などで2点を加えて4対0。今日の試合は福岡ソフトバンクが先取点を握る展開となる。

援護を受けた千賀投手は、4回と5回をいずれも打たせて取る投球で3者凡退。6回には先頭の秋山選手に本塁打を浴び、その後2,3塁のピンチを迎えるも、好調の山川選手から空振り三振を奪って脱出。7回も無失点に抑えて8回からは救援陣にマウンドを託す。

しかし、ここまでわずか1得点に抑えられていた埼玉西武打線が驚異の追い上げを見せる。8回裏、浅村選手が12号2ランを放ち3対7。9回裏には嘉弥真投手から連打と四球で無死満塁の好機を作り、代わった守護神・サファテ投手から浅村選手が2点適時打を放って5対7。さらに、1死満塁から6番・山川選手が強引に引っ張る一打で2者が生還し、7対7の同点に追い付く。

試合は延長戦に突入し、10回表のマウンドには埼玉西武の守護神・増田投手が上がる。ここで福岡ソフトバンクは先頭の上林選手が二塁打で出塁し、今宮選手の犠打で三進。好機を生み出すと、3番・松田選手が低めの直球をはじき返す値千金の勝ち越し適時打を放つ。

10回裏を5番手・モイネロ投手がきっちりと締め、8対7で福岡ソフトバンクが勝利。9回に一度は追い付かれながらも、5.5ゲーム差に迫る3位・埼玉西武を退ける価値ある白星をつかんだ。敗れた埼玉西武は8回、9回に驚異の追い上げを見せるも及ばず。7月19日以来の黒星を喫し、60年ぶりの14連勝とはならなかった。

記事提供:

パ・リーグ インサイト

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE