吉井投手コーチは「勝負根性のある素晴らしいリリーバー」
北海道日本ハムの石井裕也投手が22日、今季限りで現役引退することを表明した。先天性難聴を乗り越え中日、横浜、北海道日本ハムとプロ3球団で活躍。14年間で329試合に登板して、19勝19敗82ホールド、防御率3.06の成績を残した。
10年4月に江尻慎太郎投手との交換トレードで入団した北海道日本ハムでは、貴重な左のリリーフとして存在感を発揮した。だが、16年オフに右膝内側半月板部分切除術を受けると、昨季は8試合の登板にとどまり今季1軍昇格はなかった。
栗山英樹監督は「難しい世界の中でこれだけ長くやってくれたというのは素晴らしいことだし、いろんなことを勉強させてもらった選手なので感謝しかない。決めるのは本人なので、石井ちゃんの決断をしっかり受け止めたい」と話した。
「俺が就任1年目の時も本当によくやってくれた」とリーグ制覇した12年を振り返った指揮官。日本シリーズ第6戦では、3-3の同点で迎えた7回のマウンドに送り出した。結果的に、2死二塁から巨人・阿部に勝ち越しの中前打を許し、2勝4敗で日本一を逃した。
「実はあの時、ベンチの中でいろんなことがあって、俺にとってもすごく勉強させてもらった。石井ちゃんがあの後、負けた試合の新聞を家に貼っていたことを奥さんからも聞いたけれども、体のことも含めて本当に一生懸命やってくれて、感謝しかない」と、ハンデを苦にしなかった左腕を労った。
吉井理人投手コーチも一番印象に残っている場面として、日本シリーズで阿部に打たれて悔しがった姿を挙げた。「勝負根性のある素晴らしいリリーバーだった」と賛辞を送っていた。石井裕は30日に札幌の球団事務所で引退会見を行う。
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