敵地ロッキーズ戦前の特大弾は「人生で見た最も信じられないフリー打撃」
エンゼルスの大谷翔平投手は今季2度目のア・リーグ週間MVPに選出されるなどの活躍で、米メディアからは新人王有力候補の声も高まっている。
二刀流の男はメジャー1年目から様々な逸話を残しているが、5月8日(日本時間9日)の敵地ロッキーズ戦の舞台クアーズ・フィールドで刻んだ“大谷伝説"もその一つだ。
大谷はロッキーズ戦前のフリー打撃で、伝説の大飛球を放った。標高1600メートルの高地に位置し、「マイルハイ」と呼ばれるロッキーズの本拠地クアーズ・フィールド。気圧が低いため打球の飛距離が出やすいとされるが、大谷はここで柵越えを連発した。
バッティングピッチャーが投じる、そこまでスピードのないボールを次々にスタンドに打ち込む。右翼スタンド3階席まで届く、飛距離約150メートル超という超特大弾もあった。
この圧巻の“パフォーマンス"は当時、米国でも大きな話題に。米メディア「デッドスピン」では「オオタニの伝説的なフリー打席の物語。目撃者の証言」と特集を組んでいた。その中で、エンゼルスのエリック・ヒンスキー打撃コーチが伝説の一発を目撃して思わず「オー・マイ・ゴッド! あれは今までの人生で見た最も信じられないフリー打撃だったよ」と口走ったことを紹介している。
ロッキーズOBで西武でもプレーした元外野手のライアン・スピルボーグス氏も当時、「基本的にあそこまでボールが飛んだのを見たことがない」と証言していた。大谷の打撃が直撃した球場の鉄柱にはボールの跡が……。まさに“伝説的"なフリー打撃だった。
同僚たちは続々と驚きの証言「彼のパワーを誰も信じられなかった」
特集でも「二刀流のスター、ショウヘイ・オオタニはデンバーでキャリア初となるフリー打撃を終えた。彼はガッカリさせなかった。20本打ったホームランのうちの4本は、3階席を直撃した。特に1本は“ルーフトップ(3階席上のバルコニーの立ち見席)"の真下だった」と衝撃の一撃を振り返っている。
ESPNでは推定飛距離を517フィート(約157.5メートル)と算出したが、ヒンスキー打撃コーチは同意しなかったという。記事の中で「自分の口はポカーンという状態だったよ。あんなところまでボールが飛んで行くなんて、みんな理解できないよ。誰もあそこに打ったことはないんだ。彼の打球は毎回そんな感じだよ」とした上で、「600フィート(約182メートル)以上は出ているように見えたけれどね」と語っている。
さらに、同僚も同メディアの取材に応じており、ジェフリー・マルテ内野手は「あそこまで飛んだ打球を見たことがない。600フィートまで行ったんじゃないかな」とヒンスキー打撃コーチに同調。
「自分のキャリアであそこまでボールを飛ばす選手を見たことはない。クレイジーだよ」とルイス・バルブエナ内野手が語れば、「自分もあそこまでかっ飛ばしたヤツを見たことがない。彼は次から次へと放り込んでしまうよ」とクリス・ヤング外野手は大谷の長打力を称賛。アンドレルトン・シモンズ内野手も「場外ホームランを打ってくれることをみんな祈っていたんだ」と話したという。
そして、敵地では驚くべきことが起きたという。
「スタジアム全体からだよ。彼はスタンディングオベーションを受けたんだ。どよめきも聞こえた。彼のパワーを誰も信じられなかったんだ」
フリー打撃一つをとっても観衆のみならず、チームメートをも驚嘆させている大谷。今度はどんな伝説を刻んでくれるのだろうか。
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