北海道日本ハム・宮西尚生投手とオリックス・山本由伸投手が、激しい最優秀中継ぎ投手のタイトル争いを繰り広げている。
最優秀中継ぎ投手は、1996年から2004年まで旧ホールド数によるホールド数の多かった投手がタイトルを獲得していた。2005年からは新ホールド数と救援での勝利数を加えたHP(ホールドポイント)が対象となり、シーズンを通してHPが最も多い投手が、“最優秀中継ぎ投手"として表彰されている。
ここまでリーグトップの宮西投手が36HPで、2位の山本投手も35HPと、2人の差はわずかに1HPとなっている。
最近5年間で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した投手をみると、2014年に2年連続で同タイトルに輝いたオリックス・佐藤達也投手と、福岡ソフトバンク・五十嵐亮太投手との差がわずか3HPだったが、その他のシーズンは1位と2位の差が10HP近く離れているケースが多い。特にここ2年は1位と2位の投手のHP数の差が10だった。
●2013年
1位 42HP 佐藤達也(オリックス)
2位 33HP 宮西尚生(北海道日本ハム)
●2014年
1位 48HP 佐藤達也(オリックス)
2位 45HP 五十嵐亮太(福岡ソフトバンク)
●2015年
1位 42HP 増田達至(埼玉西武)
2位 35HP 大谷智久(千葉ロッテ)
2位 35HP 青山浩二(東北楽天)
●2016年
1位 42HP 宮西尚生(北海道日本ハム)
2位 32HP 牧田和久(埼玉西武)
●2017年
1位 46HP 岩嵜 翔(福岡ソフトバンク)
2位 36HP ハーマン(東北楽天)
今年は久しぶりに激しいタイトル争いとなっているが、宮西投手と山本投手の月別のHP数を比べると、10以上のHPを稼いだ月があることが分かる。
宮西投手は6月と7月のHP数は5だったが、8月は13試合に登板して11HP、防御率は0.00と抜群の安定感を誇った。8月の11ホールドは、2012年9月にマークした増井浩俊投手と並び球団の月間最多ホールド数だ。9月も3試合にリリーフ登板して2勝を挙げており、HP数を伸ばしている。
山本投手は4月途中から守護神・増井投手につなぐセットアッパーに定着すると、5月に9HP、6月に12HPをマーク。やや疲れが見え始めた7月は6HPにとどまり、同月27日に一軍登録を抹消した。8月7日に再昇格を果たしたが、月間防御率5.79と精彩を欠き、HP数も5つだった。
7月が終了した時点で山本投手が29HP、宮西投手が23HPだったが、8月に一気に11HPを挙げた宮西投手は8月終了時に34HPで山本投手に並び、9月に入って宮西投手が2HPを挙げ逆転した。まだ2人の差はわずかに1HP。“中継ぎのスペシャリスト"宮西投手は、チーム状況が良ければさらにHP数を積み重ねていきそうな雰囲気だが、2年目の山本投手もなんとか食らいついていきたいところ。ほぼ2人の投手に絞られたと言っていい激しい最優秀中継ぎ投手のタイトル争い、最後に笑うのはどちらの投手になるのか…。
【宮西投手と山本投手の月別HP数】
・宮西尚生
4月:6HP
5月:7HP
6月:5HP
7月:5HP
8月:11HP
9月:2HP
・山本由伸
4月:2HP
5月:9HP
6月:12HP
7月:6HP
8月:5HP
9月:1HP
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