7月15日に行われた「マイナビオールスターゲーム2017」第2戦で、最優秀選手賞(MVP)に選出された福岡ソフトバンクのデスパイネ選手。ZOZOマリンスタジアムで開催されたこの試合は、ファンにとってもデスパイネ選手本人にとっても特別な一戦となった。
キューバの国内リーグにおけるシーズン最多本塁打記録保持者であり、代表でも4番を務めている大物スラッガーという触れ込みで、2014年の7月に千葉ロッテに入団したデスパイネ選手。この年はわずか45試合の出場ながら、161打数50安打12本塁打33打点、打率.311と、前評判に違わぬ豪快な打棒を見せ付けた。
翌年から、千葉ロッテの主砲としてどっしりと主軸に座り、在籍した2年半で計54本塁打・187打点を記録。チームの2年連続Aクラス入りに大きく貢献するだけでなく、真面目なプレースタイルや「デスパ!イイネ!」というお立ち台でのパフォーマンスで、ファンからも愛される存在となった。
今季から福岡ソフトバンクに活躍の場を移すことになったデスパイネ選手は、入団会見で「たとえば40本塁打、100打点でもチームが負ければ意味がないこと。勝負を分ける場面でどれだけ打ってチームに貢献できるか。数字は後からついてくると思っています」と語り、千葉ロッテ時代と変わらず献身的にチームに貢献していく姿勢を示した。
今季は主に5番に座ってその長打力を発揮し、内川選手が故障で離脱した時期には代役として4番も務めている。6月11日の阪神戦で走塁中に肉離れを起こして10日ほどの戦線離脱を余儀なくされたものの、現時点での22本塁打はリーグ2位、61打点は同3位。ポイントゲッターとしての役割をしっかりと果たしており、自身初となる打撃タイトル獲得も視野に入ってきている。
この活躍が評価され、選手間投票で初のオールスター選出も果たしたが、奇しくもオールスター第2戦は昨季までの本拠地・ZOZOマリンスタジアムでの開催。その日、慣れ親しんだ場所にパ・リーグ選抜の一員として帰ってきたデスパイネ選手が、1点を追う4回の打席で耳にしたのは、千葉ロッテ時代に自身のために演奏されていた応援歌だった。そして、その打席でファンの期待に応える同点弾をバックスクリーンに放つと、本塁を踏んだ後にヘルメットを取ってファンに一礼。結局、計3安打を放つ活躍で、自身初のオールスターで見事MVPを獲得してみせた。
試合後のヒーローインタビューでは、千葉ロッテ時代のパフォーマンス「デスパ!イイネ!」を行うなど、古巣に対する感謝の念を忘れなかったデスパイネ選手。いつまでも変わらないその人柄で、千葉のファンからも未だに愛されているキューバの大砲は、まだ経験したことのないリーグ制覇に向け、これからも変わらずにチームへ貢献するため戦い続けていく。
記事提供: