パはK9で則本を上回る千賀にわずかながら可能性
残り試合数が20試合前後になって個人タイトル争いも形が見えてきた。今年は最多奪三振に関しては、両リーグともに形勢がかなりはっきりしてきている。
両リーグの100奪三振以上の投手を見ていこう。
◯パ・リーグ カッコ内はK9=9イニング当たりの奪三振数。
1則本昂大(楽)162奪三振/152回1/3(9.57)
2岸孝之(楽)140奪三振/142回(8.87)
3千賀滉大(ソ)134奪三振/116回1/3(10.37)
4菊池雄星(西)132奪三振/141回2/3(8.39)
5上沢直之(日)121奪三振/140回1/3(7.76)
6バンデンハーク(ソ)113奪三振/119回(8.55)
7西勇輝(オ)103奪三振/137回2/3(6.73)
東北楽天・則本の5年連続の奪三振王の可能性が、濃厚となっている。則本は、一昨年は北海道日本ハムの大谷翔平、昨年は埼玉西武の菊池雄星と奪三振数を争ったが、今季は現時点では無風の印象だ。2位には同僚の岸が付けているが、東北楽天の残り試合は23試合。則本、岸ともに3~4試合の登板機会があるが、ここで22個の差を詰めるのはかなり厳しいだろう。則本がローテを維持する限り優位は動かない。
ただ、今年の則本はK9で、福岡ソフトバンクの千賀に0.8ポイントの差をつけられている。福岡ソフトバンクの残り試合は26試合、千賀は4~5試合登板する。K9の数字が高いので、イニング数が伸びれば、則本を逆転する可能性はわずかだがあるだろう。
則本のK9の推移を見ていくと、
2013年 134奪三振/170回(7.09)
2014年 204奪三振/202回2/3(9.06)
2015年 215奪三振/194回2/3(9.94)
2016年 216奪三振/195回(9.97)
2017年 222奪三振/185回2/3(10.76)
2018年 162奪三振/152回1/3(9.57)
昨年はNPB記録となる8試合連続二桁奪三振を達成するなど、前半は圧倒的なペースで三振を奪っていたが、後半、そのペースはやや落ちた。調子が悪くなったわけではなく、球数を抑えて打たせて取る投球も見せるようになったのだ。
今季も引き続きその傾向がみられ、K9は、過去4年で最も低くなっている。6年目を迎え、則本の投球にも少し変化が表れている。
セは山口俊のリリーフへの配置転換で菅野の2度目タイトルは決定的
◯セ・リーグ
1菅野智之(巨)161奪三振/160回(9.06)
2山口俊(巨)132奪三振/142回(8.37)
3メッセンジャー(神)129奪三振/153回1/3(7.57)
4大瀬良大地(広)128奪三振/146回2/3(7.85)
5東克樹(デ)126奪三振/129回(8.79)
6ガルシア(中)114奪三振/143回2/3(7.14)
7岡田明丈(広)108奪三振/128回(7.59)
巨人の菅野が2016年に続く2回目の奪三振王を確実にしようとしている。2位にはパと同様、同僚の山口俊がいる。山口は7月27日の中日戦でノーヒットノーランを記録したが以後、不振が続き8月23日の登板を最後に2軍落ち。今後は救援に回るとの発表があり、奪三振数は伸びそうにない。
3位のメッセンジャーとは32個差。菅野がローテを維持する限り優位は動かない。
セ・リーグは昨年、巨人のマイコラスと菅野が奪三振数で競り合ったが、今年はマイコラスが抜けたためにこちらも無風だ。
菅野は則本と異なり、三振をバッタバッタ奪うパワーピッチャーではない。イニング数が増えれば三振数も増えていくタイプだ。
巨人は残り18試合しかない。菅野の登板数は3~4回程度だろうが、どれだけ奪三振数を増やすだろうか。
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