女性の“楽しい!”ってひとつじゃない。千葉ロッテの「スーパーレディースデー」が、女性ファンに新たな楽しみ方を提案

パ・リーグ インサイト 馬塲呉葉

2017.7.19(水) 00:00

7月17日、海の日。千葉ロッテが本拠地を置く千葉市美浜区の空は抜けるように晴れ渡り、最高気温は35度を記録する猛暑日となった。そんな中、ZOZOマリンスタジアムはカップルや家族連れ、涼しげなTシャツ姿の女性たちで賑わいを見せていた。

この日は千葉ロッテが主催する「スーパーレディースデー2017」の開催日。今年2回目となるこのイベントのコンセプトは「女性の“楽しい!”ってひとつじゃない」。

試合中の応援や球場グルメ、ユニホームの着こなしにも、女性ファンならではの楽しみ方があり、選手やプレーに対する見方も多種多様。いつもとは少し違った視点から球場を満喫したい女性ファンのために、試合開始前から様々なイベントが催されていた。

千葉ロッテが誇るイケメンが笑顔で出迎えてくれる

まず球場外周正面に設置されている選手パネルが、この日は「2017マリーンズ・イケメン5スペシャルバージョン」で登場。

「イケメン5」とは、女性票のみを反映した千葉ロッテのイケメン投票で選ばれた荻野貴選手、佐々木投手、吉田選手、平沢選手、成田投手のことで、花束を持って爽やかな笑顔を浮かべる彼らのパネルを背に、思い思いのポーズで写真を撮るファンの姿が多く見られた。

球場正面の配布ステーションを覗くと、有名アパレルブランドによるオリジナルデザインTシャツ「マリーンズTシャツ produced by ZOZOTOWN」が、女性来場者先着15,000人に配布されていた。

今回は白地にブルーの飾り文字があしらわれた「SHIPSデザイン」と、マゼンタのロゴが鮮やかな「FREAKS STOREデザイン」の2種類が用意され、好きなデザインを選ぶことができる。普段使いにも支障のないグッズは、まさしく女性ファンのツボを突いていると言える。

石川投手「二木、今夜は俺がだいてやるよ」…!?

球場外周ボールパークステージでは、レディースデー特別トークショーが行われ、石川投手と二木投手が登壇。石川投手が「二木、今夜は俺がだいてやるよ(富山弁で奢るという意味)」と囁き、二木投手が「胸キュンしました」と答えるなど、小気味の良いトークを繰り広げた。

球場内の売店では「ベリーたっぷりフレンチトースト」や「鶏肉とたっぷりパクチーのフォー」といった、女性にうれしい14種類の限定メニューが販売され、一部が試合開始前に完売するなど好評を博した。

また、了德寺大学マッチデーが同時開催されたため、ファーストピッチセレモニーでは今夏の世界柔道選手権で日本代表に選ばれた角田夏実選手、志々目愛選手(いずれも了德寺学園柔道部所属)が登場した。

取材・文 馬場呉葉

そして、他のパ・リーグ球場でも大好評だった資生堂ジャパン株式会社監修による「勝利の女神メイク」が体験できる「INTEGRATE BOOTH」が大盛況。

千葉ロッテオリジナルのマリーンズメーキャップは、アイライナーで左目の目尻に「M」を描く華やかなメイクで、角田選手と志々目選手も開場前に体験した。このメイクは資生堂の女性スタッフに施してもらうか、セルフで施すかは自由に選択できる。

マリーンズメーキャップを体験した女性は、抽選で豪華賞品が当たるガラガラを回すことができ、佐々木投手のサイン色紙をゲットした女性は、「普段はしないようなメイクを友人と一緒にできるので、楽しいイベントだと思います」と笑顔。

ここでしか手に入らないTシャツを着て、非日常を演出するメイクで青空の下、野球観戦を楽しむ…。「インスタ映え」するテーマパークやフェスティバルに参加する感覚で訪れても、球場はその期待を決して裏切らないだろうことを確信させてくれるようなひとコマだった。

17時からの試合開始後も「INTEGRATE BOOTH」にはひっきりなしに女性ファンが足を運んだ。マリーンズメーキャップを体験した女性希望者のうち先着100名は、5回裏終了後にグラウンドで「勝利の女神ダンス」を踊るイベントに参加することができる。

千葉ロッテの人気キャラクター・謎の「魚」も、レディースデーにちなみ女装で登場。真っ赤なワンピースと三つ編み、普段とは異なるおしとやかな動きでスタンドを大いに盛り上げた。

この日は試合内容までもが劇的!

肝心の試合結果は、オリックスとの緊迫した投手戦の末、9回裏2死満塁から加藤選手が値千金の逆転打を放ち、痺れるようなサヨナラ勝ち。連休最終日に駆け付けたファンに見事痛快な勝利を届けた。

球団発表によると、この日の女性来場者比率は43パーセント。今年5月に行われたレディースデーでは、女性比率が5割に迫る47パーセントで、今回は多少数字を落としたことになる。

しかしファンクラブの女性比率は3割ほどであるため、この年2回のイベントがファンの中で定着しつつあることは間違いないだろう。

野球の楽しみ方は老若男女それぞれで、球場を訪れるためになんの権利も必要ない。細かい野球のルールが分からなくても、おしゃれをして、選手の笑顔に胸を弾ませて、友達と盛り上がってみたら、きっと球場でなければ過ごせない時間、見ることのできない景色、感じることのできない気持ちがあることを実感できるだろう。

球場は広く門戸を開き、女性ファンの繊細な嗅覚に、無限の可能性でもって応える用意がある。今回のようなイベントが、球場の新たな楽しみ方を提供する入り口となることを期待したい。

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パ・リーグ インサイト 馬塲呉葉

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