【試合戦評】フレッシュオールスターゲームは史上初0対0で引き分け。福岡ソフトバンクの2選手が優秀選手賞・MVPに輝く

パ・リーグ インサイト

2017.7.13(木) 00:00

福岡ソフトバンクホークス・曽根海成選手(C)パーソル パ・リーグTV
福岡ソフトバンクホークス・曽根海成選手(C)パーソル パ・リーグTV

7月13日、静岡県の草薙球場で、「プロ野球フレッシュオールスターゲーム2017」が開催された。「マイナビオールスターゲーム2017」前夜に、イースタン・リーグとウエスタン・リーグの選抜選手が若さを前面に出して戦う。イースタンの先発は埼玉西武の今井投手で、ウエスタンの先発は阪神の小野投手である。

今井投手は昨夏の甲子園を制し、ドラフト1位指名を受けた。昨年オフに楽天に移籍した岸投手の背番号を受け継いだが、開幕前の怪我によって戦線離脱を余儀なくされる。ここまで二軍で4試合に登板し、0勝0敗、防御率3.86という成績だ。今井投手とバッテリーを組むのは地元静岡県出身、楽天の堀内選手である。小野投手は、1年目ながらすでにチームの先発ローテーションに入り、プロ初勝利を目指して好投を続けている。女房役を務めるのは福岡ソフトバンクの栗原選手だ。

イースタン選抜は巨人の斎藤雅一軍投手コーチ、ウエスタン選抜は福岡ソフトバンクの水上二軍監督が率いる。生憎の雨に見舞われたものの、試合開始時刻を十分ほど遅らせて、今回53回目を数えるフレッシュオールスターが幕を開けた。

初回、今井投手は走者を出し、オリックスの宗選手に盗塁を許すものの、落ち着いて後続を断ち無失点で切り抜ける。楽天の田中選手も、中堅守備で2度の好捕を披露。その裏は小野投手が3者凡退に抑え、試合は両チーム静かな立ち上がりとなる。

2回表のマウンドには、楽天のドラフト1位・藤平投手が上がる。6月16日の阪神戦で今年の高卒ルーキーの中では最速の一軍登板を果たし、5回2失点と試合を作った。ここでは、2者連続三振を奪うなどしてウエスタン打線の攻撃を3人で終わらせた。

その後もイースタンは東京ヤクルトの梅野投手、中日の京山投手、千葉ロッテの成田投手、東京ヤクルトの高橋投手、北海道日本ハムの吉田投手、千葉ロッテの酒居投手とつないで、ウエスタンは広島の加藤投手、中日の丸山投手、笠原投手、福岡ソフトバンクの小澤投手、阪神の福永投手、オリックスの吉田凌投手、福岡ソフトバンクの古谷投手というリレー。

パ・リーグでは、福岡ソフトバンクの曽根選手が2安打、楽天の堀内選手と田中選手、埼玉西武の山田選手が1安打ずつを放ったが、投手陣の好投により、イースタン打線もウエスタン打線もともに4安打に抑え込まれ、試合は9回まで両チーム無得点に終わる。8回裏から登板した古谷投手が9回裏を三振で締めて、フレッシュオールスターは史上初、0対0の引き分けでゲームセットとなった。

優秀選手賞には、2回表に登板し、2者連続三振などで無失点に抑えた藤平投手と、8回裏からの2イニングスをともに3者凡退に切って取った古谷投手が選ばれた。そして、2打席連続で二塁打を放った曽根選手が今大会のMVPに輝いた。

両チーム無得点で引き分けという結果に終わったが、優秀選手賞とMVPを獲得した選手が、いずれもパ・リーグの所属選手だったことは朗報だ。まだ一軍で結果を残せていない若手も少なくないが、往年のスター選手の多くもこの大会で名を売り、一軍の舞台に飛び立って行った。来年、あるいはその先の近い将来、彼らの中から1人でも多くのスター選手が生まれることを期待したい。

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