昨日の首位攻防戦で劇的な逆転勝利を収め、前半戦首位ターンを確定させた楽天。今日の試合でも気を抜かずに戦い、首位を争う宿敵との差を広げておきたいところだ。一方の福岡ソフトバンクも負けるわけにはいかない一戦。再びゲーム差を「-0.5」とし、「マイナビオールスターゲーム2017」後の戦いに向けて弾みを付けたい。前半戦最後の試合、福岡ソフトバンクは松本裕投手、楽天は岸投手に先発マウンドを託す。

また、福岡ソフトバンクの柳田選手と、楽天の銀次選手の首位打者争いにも注目が集まる。試合開始前の成績は、柳田選手が.3261、銀次選手が.3260と、僅差で競っている状況。ハイレベルなリーディングヒッター争いにも目が離せない。

楽天の先発・岸投手は順調な立ち上がりを見せた。4回までに許した走者は1人で、被安打は0。5者連続三振を含む落ち着いた投球で強力福岡ソフトバンク打線を寄せつけず、2回裏からは3イニングス連続で3者凡退に抑える。

松本裕投手も要所を締める投球で4回まで無得点に抑え、序盤は静かな展開が続いた。ようやく試合が動いたのは5回表。2死から1番・島内選手が内野安打で出塁すると、打席には超攻撃的2番打者としてお馴染みとなったペゲーロ選手。ペゲーロ選手はど真ん中に入ってきた直球を完璧に捉える。打球はカメラが負えないほどの凄まじい速さで伸び、そのまま右翼席上の看板まで到達する超特大アーチ。節目の20号2ランは、チームにとってもうれしい貴重な先制弾となった。

岸投手に気持ちよく投球させるわけにはいかない福岡ソフトバンク打線は、5回裏に反撃を試みる。2死から7番・松田選手がチーム初安打を放つと、8番・上林選手が安打で続き、2死1,3塁の絶好機を呼び込む。ここで工藤監督が動いた。まだ中盤にも関わらず、代打に長谷川勇選手を起用。しかし、8球に及ぶ勝負の末、空振り三振に終わり、軍配は岸投手に上がった。女房役の嶋選手にもガッツポーズが飛び出し、楽天が2点をリードしたまま試合は終盤に入る。

しかし福岡ソフトバンクは、楽天の中継ぎ陣の前に沈黙。岸投手が6回でマウンドを降りた後、楽天は7回裏にハーマン投手、8回裏に高梨投手、9回裏に松井裕投手を送るが、3投手とも無失点に抑え、福岡ソフトバンク打線を3安打に抑え込む完封リレーを果たした。

試合は2対0で楽天が勝利し、前半戦最後の山場となる首位攻防戦を2連勝で飾った。また、注目された首位打者争いは、柳田選手が2打数1安打で.327、銀次選手が4打数1安打で.325となり、柳田選手が首位打者の座を守り抜いた。

楽天としては最高の形で前半戦を締めくくることに。オールスター後もこの調子を保ち、首位をキープして優勝まで駆け抜けたい。