今日からヤフオクドームで行われる今季前半戦最後のカードは、奇しくも熾烈な首位争いを繰り広げている福岡ソフトバンクと楽天の一騎打ちとなった。首位攻防戦初戦の大事な先発マウンドを託されるのは、福岡ソフトバンクが石川投手、楽天が則本投手である。

今季の途中で中継ぎから先発に配置転換された石川投手は、5試合に先発して4勝1敗という期待以上の結果を残している。直近の2試合では7回無失点で勝利投手。その安定感は最早チームの先発ローテーションの中でも随一だ。対する則本投手は、押しも押されぬエースとして、ここまでリーグ単独トップの9勝を挙げている。両先発投手ともに、7月17日からの後半戦を良い形で迎えるため、前半戦最後の山場を自身の投球で引き締めたい。

初回、石川投手は走者を出すものの、楽天打線から3三振を奪う好調な立ち上がり。その裏、頼もしい福岡ソフトバンク打線が早速石川投手を援護する。1死から2番・高田選手が安打で出塁し、続く柳田選手が四球を選んで1死1,2塁とすると、ここで4番・内川選手が、則本投手のスライダーを捉えて左翼へ適時二塁打を放つ。追う立場の福岡ソフトバンクが、則本投手から貴重な先制点を奪うことに成功した。

さらに2回裏にも、1死から9番・甲斐選手が詰まりながらも安打を放って出塁し、1死1塁とすると、続く上林選手が直球を逆方向に引っ張りテラス席へ飛び込む9号2ラン。試合序盤で、福岡ソフトバンクが3点のリードを握った。さらに3回裏にも、先頭の柳田選手の安打と2連続四球で満塁の好機を呼び込み、7番・中村晃選手の犠飛で1点を追加。

打線の援護をもらった石川投手は4回表、5番・銀次選手にこの試合初の安打を許したが、後続を打ち取る。5回表は下位打線に強い飛球を打ち上げられるものの、いずれも中堅手の柳田選手と右翼手の上林選手が好捕。バックが石川投手を盛り立てた。

一方の楽天。思わぬ立ち上がりとなった則本投手は、4回裏を初めて3者凡退に抑えると、5回裏は3番・柳田選手、4番・内川選手、5番・デスパイネ選手を3者連続三振に仕留めた。

直後の6回表、先頭のペゲーロ選手が19号ソロを左翼席に放り込んで反撃ののろしを上げると、続く7回表、継投策に入った福岡ソフトバンクを楽天打線が攻める。先頭の三好選手が二塁打で出塁し、1死から1番・島内選手が四球を選んで1死1,2塁とすると、2番・ペゲーロ選手が3番手の嘉弥真投手から適時内野安打を打つ。さらに敵失も絡んで2死2,3塁の場面、4番・ウィーラー選手が5番手・岩嵜投手から、左翼への2点適時打。一時は4点リードを奪われた楽天が、ついに試合を振り出しに戻した。

試合は4対4で終盤へ。8回表は岩嵜投手がアマダー選手の安打などで1,3塁のピンチを招く。ここで甲斐選手が3塁走者の田中選手が飛び出したところをすかさず刺すと、最後は岩嵜投手が152キロの直球で嶋選手を見逃し三振に。負けじと楽天も8回裏から登板した福山投手が、内川選手から始まる好打順を完璧に封じた。

9回表、楽天は先頭の島内選手の死球と岡島選手の四球などで、福岡ソフトバンクの絶対的守護神・サファテ投手から1死1,2塁の好機を作る。4番・ウィーラー選手は三振を喫するが、続く銀次選手が151キロの直球を捉え、値千金の勝ち越し適時打を放った。これでスコアは5対4。とうとう1点のリードを握ることに成功した。

9回裏、楽天がマウンドに送るのはもちろん抑えの松井裕投手。松井裕投手は先頭の中村晃選手に安打を浴び、1死1,2塁のピンチを背負ったが、川島選手と今宮選手の代打攻勢を打ち取って大事な1点を守り切った。

息詰まる接戦となった首位攻防第1ラウンドは、楽天が劇的な逆転勝ちをおさめ、首位ターンを決めた。なお、明日の予告先発は福岡ソフトバンクが松本裕投手、楽天が岸投手。前半戦最後の試合にふさわしい熱戦になりそうだ。