パ・リーグ最下位に沈む東北楽天だが、チーム防御率はリーグトップ(オリックスの3.69)に0.01差の3.70。首位を走る埼玉西武がチーム防御率リーグ最下位の4.35と“逆転"現象が起こっている。
東北楽天の投手陣を見ると、岸孝之投手がリーグトップの防御率2.47を記録し、則本昂大投手はリーグ9位の4.05だ。規定投球回に到達していないが、主に先発を務める辛島航投手が防御率3.33、美馬学投手が防御率4.56、古川侑利投手が防御率3.93、塩見貴洋投手が防御率3.56。突出した防御率を残しているのは岸投手のみだ。
一方で救援陣は松井裕樹投手が防御率4.25だが、高梨雄平投手が防御率2.29、ハーマン投手が防御率1.99、青山浩二投手が2.18、宋家豪投手が2.05と非常に安定している。救援陣の安定がチーム防御率のアップに貢献しているといえそうだ。
では、最近10年間で最下位のチームがチーム防御率トップに立ったケースはあったのだろうか…。調べてみると直近の10年間でリーグ最下位だった球団が、チーム防御率トップに立ったケースは一度もなく、2010年の東北楽天がチーム防御率3.40でリーグ4位という成績が最高だった。2009年のオリックス、2011年の千葉ロッテ、2012年のオリックス、2015年の東北楽天、2016年のオリックス、2017年の千葉ロッテは、リーグ順位通りチーム防御率もリーグ最下位だった。
さらにさかのぼっても、1998年の千葉ロッテ、2002年のオリックスのチーム防御率リーグ2位が最高で、パ・リーグではリーグ最下位でチーム防御率トップだったというチームは過去に存在せず。東北楽天は史上初の珍事を達成するのか。それとも投手力が安定し、上位に進出していくのだろうか…。今後の東北楽天投手陣、そしてチームの成績から目が離せない。
リーグ最下位チームのチーム防御率
1950年 3.85 近鉄(5位)
1951年 3.13 近鉄(3位)
1952年 4.06 近鉄(7位)
1953年 2.93 近鉄(3位)
1954年 3.53 大映(7位)
1955年 3.94 トンボ(8位)
1956年 3.26 高橋(8位)
1957年 3.63 大映(7位)
1958年 4.04 近鉄(6位)
1959年 3.68 近鉄(6位)
1960年 3.61 近鉄(6位)
1961年 3.96 近鉄(6位)
1962年 3.40 近鉄(5位)
1963年 3.69 阪急(6位)
1964年 3.63 近鉄(6位)
1965年 3.61 近鉄(6位)
1966年 3.60 近鉄(6位)
1967年 3.83 近鉄(6位)
1968年 3.97 東映(6位)
1969年 3.56 南海(6位)
1970年 4.12 西鉄(5位)
1971年 4.31 西鉄(6位)
1972年 4.12 西鉄(5位)
1973年 3.83 近鉄(5位)
1974年 4.11 日本ハム(6位)
1975年 3.89 日本ハム(6位)
1976年 4.08 太平洋(6位)
1977年 4.27 クラウンライター(6位)
1978年 4.01 南海(5位)
1979年 4.60 西武(5位)
1980年 5.63 南海(6位)
1981年 4.10 近鉄(4位)
1982年 4.05 南海(4位)
1983年 5.12 ロッテ(6位)
1984年 4.98 日本ハム(6位)
1985年 5.05 南海(5位)
1986年 4.46 南海(6位)
1987年 4.22 近鉄(6位)
1988年 4.38 ロッテ(6位)
1989年 4.50 ロッテ(5位)
1990年 5.56 福岡ダイエー(6位)
1991年 4.23 ロッテ(5位)
1992年 3.82 ロッテ(4位)
1993年 4.22 福岡ダイエー(6位)
1994年 4.62 日本ハム(6位)
1995年 3.97 近鉄(5位)
1996年 4.04 福岡ダイエー(6位)
1997年 3.84 千葉ロッテ(4位)
1998年 3.70 千葉ロッテ(2位)
1999年 4.54 大阪近鉄(6位)
2000年 4.66 大阪近鉄(4位)
2001年 4.79 日本ハム(5位)
2002年 3.58 オリックス(2位)
2003年 5.95 オリックス(6位)
2004年 5.66 オリックス(6位)
2005年 5.67 東北楽天(6位)
2006年 4.30 東北楽天(6位)
2007年 3.67 オリックス(4位)
2008年 4.05 福岡ソフトバンク(5位)
2009年 4.58 オリックス(6位)
2010年 3.98 東北楽天(4位)
2011年 3.40 千葉ロッテ(6位)
2012年 3.34 オリックス(6位)
2013年 3.74 北海道日本ハム(5位)
2014年 3.97 東北楽天(5位)
2015年 3.82 東北楽天(6位)
2016年 4.18 オリックス(6位)
2017年 4.22 ロッテ(6位)
※()はチーム防御率の順位
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