元レッズGMが新人王候補選手についてレポート、投手としても打者としても高評価
約1か月の離脱期間がありながら、ア・リーグ新人王の候補として名前が挙がることが多いエンゼルスの大谷翔平投手。元レッズGMの米野球解説者ジム・ボウデン氏は、米スポーツサイト「ジ・アスレチック」に今年のMLB新人王争いの現状について候補選手の評価を掲載しているが、現在は打者のみでの出場となっている大谷は第4位にランキングしている。
ボウデン氏のレポートによると、第1位は強打の三塁手として名門球団のレギュラーポジションをがっちりキープしているミゲル・アンドゥハー(ヤンキース)。第2位がアンドゥハーのチームメートの二塁手グレイバー・トーレス(ヤンキース)、第3位がアスレチックスの「勝利の方程式」を担うセットアッパーのルー・トリビーノ投手となっている。
第4位の大谷について、レポートでは投手と打者の2つに分けて言及しており、投手としては「過去の登板でオールスター級の3つの球種を見せつけた。直球、スライダー、スプリットだ。残りのレパートリーも信頼できるものであり、スローカーブはえげつなく、チェンジアップは見分けにくさがある」と評価。打者としても「内角・外角の両方に対処できる。剛速球も打てる。(ストライクゾーンの)外に外れる変化の鋭い球も見送ることもできる。逆方向にも打てる。球数も稼げる。そして、失投を強打できる」として、総論としては「オオタニはメジャーリーグで二刀流選手として成功できるということを確かに証明した」と合格点をつけた。
故障した右肘には大きな危惧「常に手術のリスクつきまとう」
ボウデン氏は同時に、「ア・リーグの新人王に、私は彼を推していた」としている。なぜ過去形であり、ランキングが4位なのかというと、やはり右肘靭帯損傷で投手としては離脱中であることが大きな原因だ。
レポートでは「彼の先発登板がたった9回だけというのは、右ひじの内側側副靭帯に部分的損傷が見られたことが原因だ。当面の間オオタニは手術を回避することになった。その代わりにPRP療法を選択したことになったわけだが、見たところ効果が出ているようだ。しかし、彼が先発投手としてのキャリアを続けていくとなった場合、将来いつかのタイミングでトミージョン手術を免れないリスクが今後常に付きまとうことになるだろう」と危惧している。
大谷は「二刀流」としてMLBの話題をさらっただけに、投手のみ、打者のみでは成績上も専任の選手に対して分が悪い。やはり投手として戦列に復帰できるかどうかが、新人王レースの上でも重要になりそうだ。
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