8月7日に行われた埼玉西武との二軍戦、千葉ロッテの高野圭佑投手は2対5の7回からマウンドに上がった。この日は大荒れのピッチングで、1回を投げて3安打、4四死球、5失点と精彩を欠いた。
高野投手は「自分が投げている感じもつかめずに、テンポも良くないですし見失っている感じでした」と振り返った。
「ビデオを見て何が足りないんだろうと思ったときに、キャッチャーのサインもそうですし、自分だけで野球をしないように…。キャッチャーが配球を考えてくれるし、それを信じて投げてみる。僕の状態をキャッチャーが見てサインを出してくれていると思うので、『サインに従って投げるだけだ!』とある種、吹っ切れたのではないですけど、そういう気持ちで投げていますね」。
自分の持ち味を知っている捕手を信じて投げるようになった結果、復調につながったという。その後の3試合で5イニングスを無失点に抑えた高野投手は、一軍昇格の切符をつかんだ。
8月19日の東北楽天戦で、3対6の8回の場面で今季初登板を果たすと、1イニングをわずか11球、3者凡退に抑えた。すると、9回に打線が5得点を奪い逆転に成功。高野投手に2年ぶりの白星が転がり込んできた。
連投となった22日と23日の埼玉西武戦では、球界屈指の強打者・浅村栄斗選手、山川穂高選手と2試合連続での対戦となったが、2戦連続で封じた。
埼玉西武戦での投球をみると、武器であるフォークをあまり投げず、スライダーとストレートが多かった。これについて高野投手は「フォークは今も投げますが、田村からのサインがストレートとスライダーが多かったということ。(サインは田村龍弘捕手に)お願いしているので、状況によってはフォークのサインが出るかもしれないですね」と明かした。
また、今年の5月に「球速もでているし、ある程度形ができてきました」と話していたストレートは「(力を)出せているという程ではないです。今はストレートをどんどん投げて、運よく抑えられているとしか思っていない。これからですね」と自己分析する。
ようやくつかんだ一軍のマウンド。26日の試合で苦い経験をしたが、今後も“熱く冷静に"、今日も一軍の打者たちをねじ伏せていく。
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