東北楽天GM就任の石井一久氏が再建に自信「大船に乗ったつもりで待っていて」

Full-Count 高橋昌江

2018.8.27(月) 21:15

東北楽天のGMに就任する石井一久氏(左)と立花陽三球団社長【写真:高橋昌江】
東北楽天のGMに就任する石井一久氏(左)と立花陽三球団社長【写真:高橋昌江】

楽天生命パーク宮城で就任会見を行った石井一久氏

9月1日付で東北楽天のゼネラルマネージャー(GM)に就任する石井一久氏が27日、楽天生命パーク宮城で就任会見を行った。

「ハプニング的な優勝はいらないと思う。5年、10年と東北のファンの皆さんが毎年、今年はどんな順位でフィニッシュしてくれるのかと楽しみな、また、球場に来ることが楽しみな状況をしっかりと僕が作れればいいと思う」とビジョンを語り、「生え抜きのスーパースターな選手を育てていくことがすごく大事だと思っています」と育成面での意欲も見せた。

1991年のドラフト1位で東京学館浦安高からヤクルトに入団した石井氏は、最多奪三振2回(98年、00年)、最優秀防御率1回(00年)、最高勝率1回(95年)と数々のタイトルを獲得するなどして活躍。

その後、02年に海を渡り、ドジャースとメッツでプレーした。06年に古巣・ヤクルトで日本球界に復帰し、08年にはFAで西武に移籍。13年に現役を引退した。

GMはもちろん、指導者の経験がない石井氏は「経験はないんですけど、経験があるからいいのかといったらそうでもないと思う。自分の野球観など、いろんなものを駆使してチーム一丸となり、東北のファンの皆さんと一緒になって、強いチームにしたい。弱くするのは簡単だと思います。強くするということは、これから難しいことをやらないといけないと思うんですけど、皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います」と決意を口にした。

同席した立花陽三球団社長は、「1月4日に(前副会長の)星野(仙一)さんが亡くなられた後、球団として、GMもしくは星野さんの後を引き継ぐ人間を探している中で、星野さんとも親しい石井一久さんにお願いするということに至りました」と説明。来季で球団創設15年目を迎えるにあたり、「このチームを中長期的に強くできる人材」と期待を込めた。

立花球団社長は「一生懸命、全員で口説きました」

「(石井氏は)非常にコミュニケーション能力が高い人物で、信頼できる人物。また野球をよく知っている。特に石井さんの場合は海外でのプレーの経験もある。海外と日本の差を含め、我々も勉強することがいっぱいあると思います。そういった意味で我々の欲しい人材が石井さんだったので、一生懸命、全員で口説きました」

オファーを受けた石井氏は「僕がやっていいものか、と迷った」という。その迷いを消し、GM就任を決意した理由の1つは2013年の球団初の日本一だった。「一応、僕も勝負師なので、やるからには勝ちたい。この東北で最初に優勝した時に解説として見た景色が最高で、(あの時のような)活気があるものにもう一度、できたらいいなというのがありました。是非、お手伝いしたいということで、『やらせていただきたいです』と返事をしました」と明かした。

また、「大役なんですけど、そういうものに押しつぶされない経験や考えは自分で持っているつもり」と自信をのぞかせ、「立花球団社長に大船に乗ったつもりで待っていていただきたい。必ず、着地点に着けるように頑張っていきたいと思います」と約束した。

GM就任の話が来た時について、「正直、東京オリンピックが終わったら野球…、野球じゃなくて、仕事を辞めようかなと思っていた。(引き受けたら)当分、仕事は辞められないなと思った」と会場の笑いを誘った石井氏。

ガツガツした面がない自身のキャラクターを踏まえ、「僕で心配な方も結構、いらっしゃると思うんですけど、心配があるから楽しみもある。結果とチームの充実度を楽しみに、成長を見ていただきたいなと思います」とも話した。

来季の監督人事よりも「2軍の環境ってすごい大事」

今季の東北楽天については「素晴らしいヒットメーカーの方たちがいっぱいいますが、投高打低という感じでシーズンが進んでいると思う」と印象を話し、「育成の部分だったり、軸になる選手だったり、そういうものをしっかりとして、チームの先頭に立てるような選手というのを育てたりしないといけないなというのはあります」とビジョンを語った。

そして、目指すは毎年のように優勝争いができるチームだ。

「今も(チームを)代表するような選手がいっぱいいますが、その中でも本当にスペシャルな選手というのを育てていってくれたらなと思っています。毎年、優勝できるということはありませんが、そういう選手が出ることによって、毎年、優勝争いをしっかりとできる。毎年、評論家の方に1位から3位の中に収まるような予想をしていただけるチームを目指したいです」

そのためにも選手育成に力を入れたいと話す。東北楽天は現在、平石洋介監督代行の指揮で戦っており、来季の監督人事についての質問も飛んだが、「(1軍の)監督も大事だと思うんですけど、2軍の環境ってすごい大事だと思っている」と話し、他球団の例をあげて「ファームのステップアップする環境ができているからこそ、毎年、優勝争いに絡めていると思う。2軍の環境作りをしたい」と、選手の育成計画などの整備を進める考えを明かした。石井氏の豊富な経験と将来を見据えたチーム作りで、楽天が常勝軍団を目指す。

記事提供:Full-Count

記事提供:

Full-Count 高橋昌江

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE