オリックスと千葉ロッテの第12回戦1試合目はほっともっと神戸で行われる。オリックスの先発は山岡投手で、千葉ロッテの先発は涌井投手である。ゴールデンルーキー・山岡投手は前回登板で8回無失点の快投を披露し、見事なプロ3勝目を挙げた。現在は3勝6敗と黒星が先行しているものの、防御率は2.70とルーキーらしからぬ安定感。涌井投手には6月23日の千葉ロッテ戦で投げ負けているだけに、今日は若々しく結果を追い求めて借りを返したい。
対する涌井投手は、前回登板で7回6失点と打ち込まれた。今日の試合開始までの成績は14試合に登板して3勝6敗、防御率4.37と苦しんでいるが、3連敗を喫しているチームの雰囲気を変えるエースらしい投球を期待したいところだ。
初回、両先発投手は、相手打線の攻撃を3人で終わらせる安定した立ち上がり。2回以降は走者を出すものの要所を締めて得点を許さず、試合はルーキーとエースによる投手戦の様相を呈した。
ようやく試合が動いたのは5回裏。4回表まで毎回三振を奪う好投を見せる山岡投手を援護するかのように、女房役の9番・若月選手が安打で出塁し、続く小島選手が犠打を決める。そして2死2塁から、3番・小谷野選手が内角の変化球を詰まりながらも左中間に落として、試合の均衡を破る。オリックスが試合中盤で先制点を奪い、山岡投手の後押しに成功した。
しかし、ここまで8安打を浴びながら1失点で踏ん張る涌井投手の力投に、千葉ロッテ打線も負けじと応える。7回表、先頭のパラデス選手が山岡投手の変化球をうまく拾い、バックスクリーン右へと飛び込む6号ソロ。「インコースに目付をしていたけど、ボールの回転がスライダーだったので、しっかりためて打つことができたね。ワク(涌井投手)が頑張ってくれているので、いいホームランを打つことができで良かったデス」と語るパラデス選手の6月15日以来の一発で、千葉ロッテが試合を振り出しに戻した。
1対1の同点で迎えた9回表。先発の山岡投手は8回1失点で降板し、マウンドには平野投手が上がる。しかし、無失点に抑えればサヨナラのチャンスが訪れるこの回、平野投手は制球が定まらない。そして、千葉ロッテ打線はその隙を見逃さなかった。先頭の鈴木選手が安打で出塁し、4番・パラデス選手が四球を選ぶ。続く代打・加藤選手の進塁打と6番・角中選手への敬遠で1死満塁となると、ここで代打・福浦選手が勝ち越しの犠飛。さらに押し出しでも1点を加え、スコアは千葉ロッテが2点をリードする3対1となった。
9回裏のマウンドには内投手が上がる。四球で走者こそ出すものの、オリックスのサヨナラのチャンスを断ち切り、試合は3対1で千葉ロッテが勝利した。
先発の涌井投手は7回を投げて被安打8、奪三振4、与四球2、失点1の快投で充分に試合を作った。再三ピンチを背負いつつも要所でギアを上げ、相手に流れを渡さなかった涌井投手と、5安打に抑え込まれながらも数少ない好機をものにした打線が噛み合った結果の勝利と言える。敗れたオリックスは、先発の山岡投手が涌井投手に引けを取らないマウンドさばきを見せたが、その奮闘に報いることができなかった。
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