7月7日、NPB公式サイトより2017年6月度の「日本生命月間MVP賞」受賞選手が発表された。セ・リーグの受賞選手は中日の岩瀬投手、広島の丸選手。パ・リーグの受賞者は、埼玉西武の十亀投手と福岡ソフトバンクの柳田選手である。受賞選手の詳細は以下の通り。
【投手】
埼玉西武・十亀投手(自身初)
6月成績:4試合3勝0敗 23回1/3 18奪三振 防御率3.09
2011年のドラフト1位で埼玉西武に入団した十亀投手。1年目の2012年に、41試合53回を投げて6勝0敗9ホールドという成績を残し、プロ初登板から2013年の4月まで無傷の7連勝を決めた。2015年に11勝を挙げて先発の柱の1人となることが期待されたが、昨季は21試合71回1/3を投げて4勝6敗、防御率6.31と自己ワーストの成績に終わった。
しかし、今季は4月27日のオリックス戦で初登板を果たすと、白星こそ付いてこなかったものの、7回途中2失点の好投を見せる。5月18日の千葉ロッテ戦において8回無失点で今季初勝利を挙げ、そこから6月24日まで自身4連勝をマークした。
6月は4試合に登板し、「日本生命セ・パ交流戦」期間中だった1日の広島戦、8日の巨人戦では、いずれも6回2失点の好投で連勝。15日の阪神戦では5回1/3を投げて2失点と勝ち負けはつかなかったが、交流戦終了後の24日の福岡ソフトバンク戦でも6回2失点で勝利投手となり、自身初となる月間3勝を達成。3勝は先発投手の中ではリーグ最多タイの数字である。
十亀投手は受賞の記者会見で「開幕はファームで本当に悔しい思いをしたので、上がったら絶対やり返そうという気持ちでした。バッターの人が打ってくれたからこそこういう賞を頂けたと思うので、野手に感謝して、また信頼してもらえるような投球を今後もしていければなと思います」と真剣な面持ちで語った。
埼玉西武の選手の月間MVPの受賞回数は、これで通算71度となり、オリックス、北海道日本ハムと並ぶリーグ最多タイの回数となった。
【野手】
福岡ソフトバンク・柳田選手(自身4回目)
6月成績:23試合80打数29安打31打点12本塁打 打率.363
2015年に34本塁打、32盗塁、打率.363という成績を残して、東京ヤクルトの山田選手とともにトリプルスリーを達成。チームの日本一に大きく貢献してパ・リーグMVPを受賞し、一躍その名を全国に知らしめた柳田選手。昨季は怪我の影響もあって2年連続のトリプルスリーは逃したものの、打率.306をマーク。最高出塁率のタイトルを獲得した。
今季、柳田選手は順調な滑り出しに成功したものの、昨季以上の活躍を確信させたのは交流戦だった。開幕から交流戦前までの約2ヶ月間で8本塁打をマークしていたが、5月30日から6月18日の期間だけで7本塁打。最終的に月間の本塁打数は12本にのぼった。多くの殊勲打も放ち、交流戦史上初となる2度目の最優秀選手賞も受賞。チームが3年連続の最高勝率に輝く上で、非常に大きな役割を果たした。
6月は主に3番打者、時に4番打者としてチームの全23試合に先発出場し、本塁打、打点、得点、塁打、長打率、出塁率、得点圏打率の7部門でリーグトップ。6月23日の埼玉西武戦では、3ラン、2ラン、ソロの3打席連続本塁打という離れ業も披露した。現在は21本塁打をマークし、外国人選手を抑えて今季の本塁打数ランキングリーグ単独トップに君臨している。
柳田選手は、2014年5月度、2015年8月度、9月度以来、自身4度目となった月間MVP受賞について、「うれしいです。本塁打と打点は想像以上の数字を残せたので自信にしたい。本塁打はどれもうれしいですが、(印象に残っているのは6月23日の埼玉西武戦での)3打席連続本塁打です」と笑顔で話した。
以上、2017年6月度の月間MVP受賞選手を紹介した。セ・リーグも含めると、今回は丸選手と十亀投手の2人がプロ初、球界最年長の岩瀬投手が12年ぶりと、受賞選手は話題に事欠かない顔ぶれとなった。この賞は毎月のように、あらゆる選手の新たな可能性や魅力に気づかせてくれる。選手自身も、この素晴らしい賞を獲得したことをモチベーションにして、今月もじめじめした気候に負けない熱い戦いを繰り広げてほしいものだ。
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