日韓で人気急上昇中。2016年の「デウン様伝説」に注目

パ・リーグ インサイト マリーンズ球団広報 梶原紀章

2016.2.12(金) 00:00

千葉ロッテマリーンズ イ・デウン投手 ※球団提供
千葉ロッテマリーンズ イ・デウン投手 ※球団提供

日本でも、韓国でも、「デウン様」が注目の的となっている。マリーンズ入団2年目となるイ・デウン投手(26歳)。昨年11月に行われた国際大会「プレミア12」にて初めて韓国代表入りし、その人気に火がついた。

シンイル高校を卒業後、渡米し、カブス傘下マイナーに7年間所属。韓国プロ野球での経験がなかったことから、その名は広くは知られていなかった。しかし、ナショナルチームのローテーション投手として活躍し、日本との準決勝戦で先発したことから母国での注目度が一気に上がった。

「韓国では、取材をたくさん受けました。ファッション誌で私服の取材もありました。これまではあまり取材を受ける機会はありませんでしたが、このオフは数えきれないくらい受けました」

今年1月に再来日したイ・デウンは来日会見で嬉しそうに話をした。特に注目を集めているのは韓流スター顔負けのその美貌。日韓両方の女性ファンを虜にしており、野球好きではない一般女性からもファンレターが届く。

この女性人気に対応し、マリーンズではキャンプ限定で球団公式ツイッターに「今日のデウン様」のコーナーを設置し、毎日の練習中の横顔などを掲載すると大きな反響を呼び、さらに話題沸騰。「カッコ良すぎる」など、日本語とハングル語の多数のコメントが並び、この状況を韓国のメディアや日本のテレビ局でも全国ネットで特集を組まれた。

本業の野球の方も魅力的だ。最速150キロを軽く超えるストレートに多彩な変化球を操り、今季は韓国人投手初の二ケタ勝利に期待がかかる。

昨年は9勝。7月30日に二ケタ勝利に王手をかけていたが、そこからまさかの未勝利。チームがクライマックスシリーズに出場し、ファイナルステージまで勝ち進む中、出番はナシ。悔しい思いをした。「それを振り返っても仕方がない。とにかく悔しかったです。ただ、その悔しさから学んだことがある。今年は10勝したい」と今季にかける想いを語る。

ナショナルチームで過ごした一カ月間で先輩、コーチから吸収したことも多い。高校後、すぐに渡米をしたため、これまで韓国球界の選手たちと接する機会は少なかったが、この期間に濃密な時間を過ごした。意見交換をし、たくさんのアドバイスをもらい、教えを乞うた。さまざまな発見があった。

その中でも再認識させられたのは下半身の重要性。これまで米球界で生き抜くために独学で投げてきたが、これを機に周囲の教えを元に土台から鍛え直す決意をした。

「みんなから『下半身をもっと使って投げた方がいいよ』とアドバイスをいただきました。下半身の重要性に気付かされました。だから、オフは出来るだけ下半身を集中的にトレーニングしたのです。その甲斐もあり、キャンプで久しぶりにブルペンに入ったら、コントロールが良くなった。トレーニングの成果だと思います」

オフはソウル市内のジムで下半身を一から鍛え直し、下半身主導の投球を試みることで、ボールの安定感が増した。手ごたえをつかんでの再来日だった。

高校を卒業後、韓国球界からもオファーがあったが、大リーグを目指し18歳の時に渡米。言葉の壁や環境の違いには苦労しながらも7年間でマイナー通算40勝。バスでの8時間を超える長距離移動や粗悪な環境も適応してきた。

ただ、調子の波が激しく、何度かメジャー昇格のチャンスはあったものの、夢をつかむことは出来なかった。それでも本人は「とても楽しかった」とマイナー時代を懐かしそうに振り返る。そして、次なる舞台は日本。2014年12月に千葉ロッテマリーンズでの新たな挑戦を決めた。

「マリーンズはとてもいいチーム。いい仲間たちがいます。今年はもっともっと自分の考え方を改め、勉強して、去年の反省を生かして頑張りたい。二ケタ勝利はしたいです」

ファンはその美貌から敬意を表し、「デウン様」と呼ぶ。今キャンプでは高校生ルーキーの平沢大河内野手(仙台育英)、成田翔投手(秋田商業)などの若手イケメンも話題。このことに関してデウンは「イケメンがチームに多いことはとてもいいことです」と涼しげに話す。来日2年目の今季、プレミア12をきっかけに進化を遂げた、新たなデウン様伝説がまもなく幕を開ける。その右腕が、今年こそ千葉ロッテマリーンズを優勝へと導く。

マリーンズ球団広報 梶原紀章

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