74年ぶりの快挙は逃すも、福岡ソフトバンク・石川投手が5試合目の先発登板で堂々たる投球を披露

パ・リーグ インサイト 松下雄馬

2017.7.4(火) 00:00

福岡ソフトバンクの石川投手が7月4日のオリックス戦で初回からテンポよく凡打の山を築き、あと8人というところまで無安打無得点投球。7回1死から小谷野選手に安打を許して快挙は逃すも、今季から一軍デビューを果たした若武者がわずか5試合目の先発登板でアッと驚く投球を披露した。

初回、先頭の小島選手を145キロの直球と118キロのカーブで翻弄し、二ゴロに仕留める。続く駿太選手は初球を打ち上げさせて左飛、3番・小谷野選手には四球を許すも、4番の絶好調・ロメロ選手は内野ゴロに打ち取って無失点。初回のオリックスの攻撃を危なげなく終える。

2回は5番・T-岡田選手、6番・中島選手を相手に連続三振を奪うなど3者凡退。3回は内野ゴロ3つで打ち取り、わずか41球で3回までを終わらせる素晴らしい立ち上がりを披露する。

3回に松田選手が14号3ランを放つなど、味方打線による4点の援護がもたらされると、気分を良くした石川投手がその後も安定した投球を続ける。まずは4回を緩急つけてわずか8球の省エネ投球で封じると、5回は日曜日の試合で3安打3打点の活躍を見せた7番・マレーロ選手から見逃し三振。6回は150キロ近い直球を中心に8番・大城選手、代打・岩崎選手、1番・小島選手を圧倒し無失点。球威と変化球の切れが全く衰えず、相手につけ入る隙を与えない。

ホークスとしては初めての快挙まであと9人となり、先頭の駿太選手は内角高めへの145キロの直球で空振り三振を奪取。しかし、続く3番・小谷野選手にフルカウントからの6球目、内角の直球をはじき返されて快挙達成を逃す結果に。惜しくも前身含む球団史上2人目の無安打無得点達成とはならなかった。

1943年5月26日の大和戦で南海の別所昭投手が達成して以来。実に74年ぶりの快挙は成し遂げられなかったものの、首位・楽天をピタリと追走する福岡ソフトバンクにとって石川投手の7回、被安打1、無失点の好投は大きな収穫であったと言えるだろう。

試合後のお立ち台では「無安打投球は意識していなかった」と冷静に振り返りつつ、「次回の登板でも1球1球、1人1人、アウトを積み重ねられるように頑張る」と次戦へ向けての意気込みを語った石川投手。2年ぶりの覇権奪回を狙う鷹にまた一人、楽しみな逸材が加わった。

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