【試合戦評】外国人コンビの殊勲打で、首位攻防戦初戦は楽天に軍配。先発の安樂投手は5回3失点で今季初勝利

パ・リーグ インサイト

2017.6.30(金) 00:00

そのゲーム差はわずかに0.5。リーグ首位の楽天と、2位福岡ソフトバンクの首位攻防戦がkoboパーク宮城で幕を開けた。ここまで引き分けを挟んで3連勝中と、好調さをキープしている楽天の先発は安樂投手。前回登板の北海道日本ハム戦では、5回途中4失点で敗戦投手となった。福岡ソフトバンク相手に今季初の白星を挙げ、チームも自身も勢いに乗りたい。

一方、福岡ソフトバンクもここまで4連勝と絶好調だが、今カードでの首位奪還のためには1つの負けも許されない。今日の試合の先発は、チームトップタイの7勝をマークしている東浜投手に託される。前回登板の埼玉西武戦では123球を投げて、見事完封勝利を挙げた。今日の試合もものにして、楽天を追い落とす第一歩に貢献したいところだ。

試合は初回から動いた。1回表に、安樂投手が2死1,2塁のピンチを無失点で切り抜けると、すかさず強力鷲打線が援護をもたらす。その裏、先頭の島内選手が安打で出塁し、1死から3番・岡島選手が左前打でつないで1死1,2塁の好機を作る。この場面で、4番・ウィーラー選手が内角に甘く入った変化球をすくい上げると、打球はそのまま左中間席へ飛び込む先制の15号3ラン。「負けられない初戦で先制することができて良かったよ」と、打った本人もご満悦の一発で、楽天が3点の先制に成功する。

リードを許した福岡ソフトバンクは、直後の2回表、先頭の松田選手が三塁打を放ち、続く明石選手の内野ゴロの間に生還。1点を返してすぐさま2点差に詰め寄ったが、楽天の頼もしい外国人選手が、再び安樂投手を援護射撃する。3回裏、1死から2番・ペゲーロ選手が打った瞬間にそれとわかる特大の18号ソロ。一発攻勢で福岡ソフトバンクを突き放す。

しかし、ここまで楽天に試合の主導権を握られていた福岡ソフトバンクが、5回表、ついに反撃ののろしを上げる。1死から2番・今宮選手が安打で出塁すると、3番・柳田選手が内角低めの難しい直球を、持ち前の凄まじいパワーでバックスクリーンまで運ぶ。リーグ単独トップに躍り出る第20号2ランでスコアを3対4とし、試合中盤で1点差に詰め寄った。

先発の安樂投手は5回3失点でマウンドを降り、6回表から楽天は継投策に入る。まずは高梨投手が1イニングを無失点で切り抜けると、7回表からはここまで防御率0.00と抜群の安定感を誇る福山投手が、走者を出しながらも無失点。8回表はハーマン投手、9回表は守護神・松井裕投手と無失点リレーでつなぎ、試合は4対3で楽天が勝利した。前半戦の山場と言っても過言ではない首位攻防3連戦の初戦は、首位・楽天が福岡ソフトバンクを振り切った。

今日は楽天の外国人選手の活躍が光る試合となった。今日本塁打を放ったウィーラー選手、ペゲーロ選手はともに6月の月間打率が3割を超えている。7月以降もチームの原動力となる頼もしい打棒に期待せざるを得ない。一方、福岡ソフトバンクは僅差で敗れたものの、柳田選手、甲斐選手がそれぞれ猛打賞を記録。後一本が出ず反撃はならなかったが、明日以降は得点につなげて勝利をつかみたい。

記事提供:

パ・リーグ インサイト

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE