投手の分業制が浸透した現代野球においては、先発投手に負けず劣らず重要視されているリリーフ投手。そして、より充実したブルペン陣を形成する上で、外国人投手が担う役割は非常に大きいものがある。今回は、今季のパ・リーグ各球団を支える「外国人リリーバー」について見ていきたい。

※成績はすべて中継ぎ登板時、6月29日までのもの

【北海道日本ハム】
・エスコバー投手
今季成績：12試合1勝1敗0ホールド0セーブ 17回 防御率6.88
・マーティン投手
今季成績：18試合0勝2敗11ホールド 1セーブ 16回 防御率2.25

マーティン投手は、昨季、シーズンの途中で先発転向した増井投手に代わって抑えを務め、チームの日本一に大きく貢献した。増井投手が守護神に復帰した今季は、セットアッパーとしての役割を任され、安定した投球を披露している。昨季は故障で離脱しポストシーズンに出場できなかっただけに、今季はシーズン通しての貢献をしていきたいところ。

今季新加入のエスコバー投手は、4月2日の埼玉西武戦で先発し来日初登板を果たしたが、5回途中5失点(自責1)で黒星を喫した。以降は、先発投手が早い回で降りた場面を中心に救援登板を重ねている。5月14日の千葉ロッテ戦では、先発のメンドーサ投手が5回表に退場処分を受けたため緊急登板し、結果的にわずか3球で来日初勝利を挙げた。

【楽天】
・ハーマン投手
今季成績：28試合1勝0敗19ホールド1セーブ 26回2/3 防御率2.36

ハーバード大卒ということで話題をさらったハーマン投手は、守護神・松井裕投手につなぐ8回を任されている。奪三振率は9を超えており、今季はここまで安定したセットアップを見せている。4シーズンぶりの優勝を狙うチームにとっては必要不可欠な存在だ。新たに加入したコラレス投手とともに、今後ますますの活躍が期待される。

【埼玉西武】
・ガルセス投手
今季成績：13試合2勝1敗0ホールド0セーブ 19回 防御率4.26
・シュリッター投手
今季成績：34試合0勝1敗21ホールド0セーブ 34回1/3 防御率1.31

開幕当初から、ウルフ投手、シュリッター投手、ガルセス投手の3人の外国人投手が一軍で活躍している埼玉西武。ガルセス投手は1試合だけ先発しているが、ロングリリーフからワンポイントまで、様々な場面での起用に応えている。

シュリッター投手は、幾度となく接戦を拾ってきたチームの「勝利の方程式」の一角を担い、ここまでチームトップの34試合に登板している。昨季まで課題となっていたチームのブルペン陣において、彼の存在はもはや欠かせないものと言えよう。

【千葉ロッテ】
・チェン投手
今季成績：2試合0勝0敗0ホールド0セーブ 3回 防御率3.00

チームの外国人投手はスタンリッジ投手とチェン投手だけで、2人は主に先発を担っているため、今季の外国人投手のリリーフ登板はチェン投手の2試合のみだった。サントス選手やペーニャ選手を獲得したことで、外国人投手の出番が限られているのが現状だ。

【オリックス】
・ヘルメン投手
今季成績：12試合0勝0敗1ホールド0セーブ 13回 防御率2.08
・ウエスト投手
今季成績：2試合0勝0敗0ホールド0セーブ 2回 防御率4.50
・コーク投手
今季成績：1試合1勝0敗0ホールド0セーブ 4回 防御率0.00

ディクソン投手を含め、オリックスには4投手が在籍しているが、3人の外国人野手が活躍しているために出場の機会には恵まれていない。そんな中、光る活躍を見せているのがヘルメン投手だ。力強い真っすぐを武器に、11を上回る奪三振率を記録し、防御率も2点台前半と、確かな存在感を示していた。マレーロ選手の昇格に伴い、現在はファーム調整が続いているが、長いシーズンのどこかで必ず必要になる戦力であることは間違いない。

【福岡ソフトバンク】
・サファテ投手
今季成績：29試合1勝0敗3ホールド22セーブ 28回2/3 防御率0.94

来日7年目を迎える右腕の安定感は今季も健在。途中離脱があったもののここまで松井裕投手(楽天)に次ぐ22セーブを記録している。13を超える驚異の奪三振率を誇る守護神は、今季クルーン氏(元巨人)抜き外国人最多セーブ記録を樹立。2シーズンぶりの王座奪還を目指すチームにおいて、決して欠くことのできない役割を担っている。

一口に「外国人リリーバー」といえど、場面を問わず登板する便利屋から、サファテ投手のような絶対的守護神まで、その投手が果たす役割は様々だ。現在はファームで一軍での出場機会を窺っている投手でも、終盤で救世主よろしくフル回転することもある。長いシーズンを戦う上で、必ず欠かせなくなる彼らの活躍に注目していきたい。