打撃職人がたどりついた究極の場所
■福岡ソフトバンク 6-3 東北楽天(15日・ヤフオクドーム)
福岡ソフトバンクの長谷川勇也外野手が、“代役"以上の活躍を見せた。15日、内川聖一内野手の体調不良によって、練習中に急遽スタメン出場が決まった鷹の打撃職人は、期待に応えて2ラン2発という最高の答えを出してみせた。
達川光男ヘッドコーチからスタメンを告げられたのは、ゲージに入ってバッティング練習をする直前だった。「代打でのバッティングをいつもイメージしてやっているので、そこまで大きな差はないんですが、気持ち的にはそこのタイミングで(スタメンが)分かって良かったです」と振り返った長谷川。
それでも「久々のスタメンということで配球を読んじゃったりする不安はありました」という。「代打では配球とかではなく、しっかり準備してタイミング取って、それが合ったら打っちゃうというイメージ。それが今日こういう形になったので、打撃に関するイメージとしてはほぼ(代打の時と)一緒でした」と、いつものバッティングができたことを喜んだ。特にそのイメージに近かったのが6回の2本目だという。
「打っちゃったという感じです。スーッと入って、アッと思ったらどっかに飛んでいってた。ティーバッティングでやっているイメージでできました。見逃したらボール球なんですけど、それも打てると思って反応して、高めのボールをしっかり叩いてライナー系でいけたのでよかったです」
代打の経験を積み重ねたことで「1打数1安打って究極なんですよ」と語る。だからこそ「何も考えずに体が反応するような打撃」に辿り着いたという。それこそが1打席にかけてきた打撃職人の行きついた場所だった。
最後に長谷川は「昔の形とは変わって、年相応になってきている。今持っているベストのスイングを続けていきたい」と力強く語った。
記事提供: