8月12日、楽天生命パーク宮城で行われた東北楽天と埼玉西武の一戦は、1対1のまま延長戦に突入し、12回までもつれる展開となった。
まずは1回表を東北楽天の先発・辛島投手が無失点に抑えると、その裏の攻撃で2番・茂木選手が高めの直球を捉える二塁打で出塁し、いきなり好機を迎える。そして3番・島内選手は抑えられたものの、4番・今江選手が左翼への適時打を放ち幸先良く1点を先制。「昨日は初回のチャンスでゲッツーでしたからね。昨日の反省をきっちり生かせました」という4番の一振りで東北楽天が好発進を切る。
しかしその後は両先発が投手戦を展開し、初回に1点を失った埼玉西武の先発・榎田投手も再三にわたって得点圏に走者を背負いながらも、要所を締めて無失点に抑え続ける。一方の辛島投手は、130キロ台の直球を主体とし、打たせてとる投球で反撃を許さず。5回を終えて依然1対0と東北楽天がリードしたまま試合の前半を折り返す。
長い間こう着状態が続き、再び試合が動いたのは後半に入ったばかりの6回表。辛島投手の球数がちょうど90球に差し掛かった2死走者なしの場面、3番・浅村選手が低めの変化球を左翼に打ち返し、二塁打で出塁に成功する。続く山川選手は申告敬遠で歩き、4割近い得点圏打率を誇る5番・森選手が右翼への適時打を放ち二走が生還。ここまで攻めあぐねていた辛島投手を捉え、埼玉西武が試合を振り出しに戻す。
榎田投手が7回104球を投げ、被安打8、奪三振4、与四球2、1失点の内容でマウンドを託すと、辛島投手は6回99球、被安打4、奪三振9、与四球3、1失点で救援陣にバトンを渡す。後を受けた平井投手、ヒース投手が8回、9回を無失点に抑え、東北楽天は松井投手、青山投手、ハーマン投手というリレーで9回まで無失点に抑え、試合は延長戦に突入する。
10回から12回までの3イニングスを、東北楽天は高梨投手、久保投手、宋家豪とつないで負けを無くす。そして迎えた最終回の最後の攻撃。埼玉西武の6番手・齊藤大投手を攻め立て、1死1塁と走者を出塁させると、2番・茂木選手が低めの変化球をうまく捉え、試合を決める7号2ラン。劇的な勝利で連敗を止め、3連戦の最終戦を最高の形で終えた。
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