大谷翔平選手と山本由伸選手の活躍により、ロサンゼルス旅行といえば、ディズニーランドを超えると言ってもいいほどの存在となったドジャースタジアムでの野球観戦。今回は、ドジャースタジアムへのアクセス方法と、訪れる際の注意点、おすすめの宿泊エリアについてご紹介する。
私がアメリカに移り住んで、よく感じることは、日本の常識は、アメリカでは通用しないことが多い、ということだ。
日本は、電車やバスなどの公共交通機関が整備され、市民に欠かせない交通手段となっているが、ロサンゼルスは、基本的に車がないと移動が難しい。
日本人が当たり前に安心して利用している電車は、ロサンゼルスのダウンタウン付近を走ってはいるものの、治安的な意味において、乗車することはおすすめできない。
そんなロサンゼルスの交通事情や治安情報も含めて、ドジャースタジアムに行く人が、この記事を読んで、少しでも快適に楽しめるようになればと思い、現地の情報をお伝えしていきたい。
配車アプリはメリット・デメリットあり
まず、ドジャー・スタジアムへの基本的なアクセス方法は3つある。
1つ目は「Uber」や「Lyft」といった配車アプリを使う方法だ。
費用は少し高くついてしまうが、比較的簡単に行くことができるので「ややこしいことはしたくない!」という人にはおすすめの行き方だ。
ただし、ナイターゲーム前の夕方は、スタジアム周辺の道が酷い渋滞になるため、余裕を持った行動が必要となる。
そして、配車アプリを利用した際に大変なのは、帰り道だ。
ドジャー・スタジアムでは、配車アプリ専用の乗り場がメインゲートの「サンセットゲート」近くにあるLOT11(ボールの形の街灯が目印)と決められている。そのため、配車アプリで帰る人々は皆、この乗り場に集まってくることになり、長い時は乗車までに1時間ほどかかることもある。
日本からの飛行機移動や試合観戦、観光などで疲れているなか、試合後の夜22時ごろに1時間も立ちながら乗車を待つというのは、あまりおすすめできないと個人的に感じている。
2つ目の方法は、スタジアムへの無料シャトルバス利用だ。
無料シャトルバスは、ユニオンステーション発とハーバーゲートウェイトランジットセンター発の2路線あり、、行き帰りで利用可能だ。
また、無料シャトルバスは、「エクスプレス・レーン」という専用レーンを通ることができるため、配車アプリやレンタカーなどよりも、渋滞の心配がいらないことも安心なポイントのひとつだ。
なお、ユニオンステーション発の運行時間は、試合開始時刻の90分前からとなっていて、スタジアムまでの所要時間は約15分ほど。試合終了後45分間までを目安に運行されている。
ハーバーゲートウェイトランジットセンター発は、試合開始時刻の2時間前から運行開始され、帰りは7回終了時から試合終了後45分間を目安に運行。こちらは、所要時間が45分〜60分ほどかかる。
※いずれの路線も、イベントがある日は、イベント終了後、20分間運行されている。
無料シャトルバスの利用は万人にお勧めできる方法だが、デメリットをあげるとすれば、開門時間に合わせて到着することができないことだ。
試合前に行われる大谷選手のリハビリ中のキャッチボール姿や、山本選手の投球練習などを見たい場合は、無料シャトルバスを利用すると間に合わない。
また、帰りの乗車時は、無料シャトルバスも混雑し、待ち時間が長くなるので注意が必要だ。
そして最後の3つ目は、自分でレンタカーを借りて運転する方法だ。
実は、これが私の一番のおすすめの方法でもある。
もちろん、アメリカで運転をするというハードルの高さはあるが、ドジャースタジアムでの野球観戦以外の観光のことも考慮すると、最もコスパが良いと思う。
ロサンゼルス観光中の移動全てをUberなどの配車アプリを使った場合、その費用は、レンタカー代をあっという間に超えてしまうだろうし、バスの出発待ち時間などのように、時間に縛られることもない。
せっかく来たロサンゼルス旅行。その時々で見たい物や、やりたいことを思う存分楽しめるのが、レンタカーを利用する大きなメリットだ。
また、レンタカー利用のうれしいことのひとつに、駐車場を安く使えることがあげられる。
ドジャースタジアムのゲート内の駐車料金は、当日購入で35ドル、事前購入の場合でも30ドルと、なかなかのお値段だ。
だが、ゲート外の広場を利用すると5ドルで駐車できる。広場からスタジアムに入るまで10分ほど歩くことにはなるが、ゲート内駐車場で入り口まで遠い場所でも同じくらい歩く可能性はある。
また、帰りの際に、スタジアムから出るための渋滞を回避できる点もオススメだ。
3つの方法に、それぞれ、メリット、デメリットがあるため、ご都合やお好みでアクセス方法を検討いただくことをお願いしたい。
意外と厳しい持ち物検査。特にバッグの大きさには注意!
ここで、話は逸れるが、ドジャースタジアムを訪れる際の注意事項についても触れておきたい。
まず、試合は、基本的に19時10分開始のナイターゲームで、スタジアムの開場は17時10分。ちょうどお腹も空いてくる夕方の時間帯、スタジアムグルメは「ドジャードック」と呼ばれるホットドッグや、ナチョスなどが充実しているが、値段が高いのが気になるところ。
実は、ドジャー・スタジアムでは、食べ物は持ち込み可能となっているため、試合前にどこかでテイクアウトして持ってくることもひとつの選択肢として覚えておくとよさそうだ。
また、飲み物も、1リットル以下で未開封、アルコール以外の色のついていないものであれば、持ち込みが可能だ。スタジアム内は、水を買うにも9ドル程かかるし、夜20時くらいまでは、陽も出ているような暑い環境なので、水分補給は欠かせない。
最後に重要なこと。持ち込むバッグについてだ。スタジアムに持ち込めるバッグは、透明な中身の見えるバッグと透明でないバッグ1つずつまで(ただし、おむつや医療上必要な品は除く)と決まりがあり、バッグのサイズもそれぞれ細かく制限されている。スタジアムに訪れる際には、その点にも注意が必要だ。
宿泊エリアは滞在の目的別に選ぼう
そして、次におすすめの宿泊エリアについて。
王道の選択肢となるのはダウンタウンだろう。
ドジャー・スタジアムも近く、無料シャトルバスが出発すると紹介したユニオンステーションもダウンタウンに位置している。
他の観光地へのアクセスも含めて、交通の便が良い場所だ。ただし、治安が良くないため、夜の外出などには注意しなくてはならない。また、ホテルの料金が比較的高いこともマイナスポイントのひとつだ。
次の選択肢となるのは、パサデナというドジャー・スタジアムから北東の山側のエリアだ。
パサデナは、ドジャー・スタジアムからの帰りの渋滞に巻き込まれない点が良いところ。治安も良く、ドジャー・スタジアムから車で10分ほどで行き来ができる。
ロサンゼルス滞在中に、ドジャー・スタジアムに何度も行くプランを立てる方にはおすすめなエリアだ。
しかし、ドジャー・スタジアム以外の観光地からは距離が遠く、レンタカー以外の交通手段がないため、その点には配慮が必要となる。
最後は、ガーデナという日本人が多いエリアを紹介しよう。
ドジャースタジアムからは少し離れていて、車で30分ほどの位置にあり、無料シャトルバスが出発するハーバーゲートウェイトランジットセンターも、このガーデナエリアにある。ガーデナは、日本食スーパーや日本語が使えるホテルなどもあるため、アメリカでの旅行が不安な人や日本食は欠かせない人にはおすすめの場所だ。
それぞれのプランや予算によって、上記の中から選んでいただけたら、間違いなくドジャースタジアムでの野球観戦をお楽しみいただけると思う。
また、たとえばスタジアムに行く際は、開門時間に合わせてUberを使い、帰りはゆっくりグッズショップなども見たいので、バスを利用して帰るという合わせ技も良いかもしれない。
野球界の長い歴史の中でも、類を見ない活躍をしている大谷選手。その大谷選手が出場している試合を実際に目の前で観戦できる今、日本から遥か海を越えて見にくるからには、しっかり満喫できるようこの記事が少しでも助けになればうれしいかぎりだ。
文・鈴木優
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