3週間に及ぶ戦いも、いよいよ最終戦を迎える「日本生命セ・パ交流戦」。楽天はここまで9勝8敗としており、交流戦を勝ち越しで終えたいところ。今日先発の岸投手は、ここ2試合の登板で好投しながらも白星に恵まれない試合が続いている。阪神先発のルーキー・小野投手を攻略し、打線がしっかりと援護していきたい。

岸投手は初回、3回と得点圏に走者を背負ったものの、持ち前の緩急を生かした投球で序盤の3イニングスを無失点。上々の立ち上がりを見せる。一方の小野投手も楽天打線を相手に堂々の投球を披露し、お互いに無得点のまま試合は中盤に突入する。

4回、5回も両投手が抑えて迎えた6回表。今季初めて1番に入った島内選手が四球で出塁すると、続くペゲーロ選手が安打で続き、1死1,2塁の好機を作る。この場面で3番・岡島選手が中前へ適時打を放ち、楽天が均衡を破る貴重な先制点を挙げる。

援護をもらった岸投手は、味方の好守にも助けられながら6回も無失点に抑え、試合は1対0と楽天の1点リードで終盤の攻防へ。7回裏、岸投手はギアをさらに一段階上げる。先頭の糸原選手を左飛に打ち取ると、続く8番・梅野選手、さらには代打・伊藤隼選手から連続で見逃し三振を奪う圧巻の投球。阪神打線をこの試合2度目の3者凡退に抑え込む。

8回裏も岸投手は1死1,3塁と一打同点の場面を迎えたものの、4番の福留選手を低めの変化球で併殺に打ち取り、この回も無失点。1対0のまま、いよいよ最終回を迎える。

1点リードの9回裏のマウンドには、守護神・松井裕投手が上がる。先頭の原口選手から空振り三振を奪うと、続く鳥谷選手も打ち取り簡単に2死とする。この後連打で2,3塁とされたものの、最後は俊介選手から低めの変化球で空振り三振を奪って試合を締めくくった。

1対0の緊迫した投手戦を制した楽天は、先発の岸投手が8回110球を投げ、8奪三振、無失点の好投で5勝目。阪神・小野投手に苦しみながらも、6回の好機に得た虎の子の1点を投手陣の奮闘で守り切った。交流戦を2連勝といい形で終えた楽天は、首位を保持したまま再びパ・リーグ同士での戦いを迎えることになった。交流戦を勝ち越し、セ・リーグ相手にも今季の強さを充分に発揮した楽天のこれからの戦いに期待したい。