右肩痛などを乗り越え、昨年9月24日のオリックス戦以来の先発
2013年の甲子園優勝投手が一軍マウンドへ帰ってくる。右肩のコンディション不良の影響で、ファームで調整をしていた4年目・高橋光成投手が、8日のオリックス戦で先発予定。昨年9月以来となる一軍復帰登板を果たす。
5月31日にファームで実戦復帰してから約2か月。故障の影響を考慮し、短いイニングから実戦登板を始め、直近の2試合は先発として登板。それぞれ、5回無失点、6回2失点と試合を作った。
元々「一生懸命投げ過ぎてしまう」という高橋光。ファームでは力を抜いて投げることを意識して、調整してきたという。「怪我もあったので、(身体に)負担のこないようにという意識してやってきました。腕に力が『ガッ』と入りがちだったので、そこは入らないようにやってきました。まずはキャッチボールから軽く投げて、(身体を)大きく使って、遠くに投げる。あとは、腕のタイミングを少し変えて、ゆっくり回すということをやっていました」とその内容を語った。
実際に、ファームの試合でも「勇気を出して、すごく軽く投げたんですけど、意外とファールになったりしていたので、投球についてラクに考えられるようになったかなと思います」と、一定の手応えを感じている。
8月4日には1軍練習中のメットライフドームでブルペン入り。土肥コーチと西口コーチの前で31球を投げた。「リリースの瞬間に今より少し力を入れてみては」とアドバイスを受けると、8月6日にも、西武第二球場で土肥コーチのチェックを仰ぎ、万全を期した。
「リリースの瞬間に声を出すようにアドバイスを受けました。声を出すことで身体に一瞬力が入るので、力の入れどころの練習だと捉えています。実際にリリースの瞬間と力を入れるタイミングがあうという感覚はあったので、いい感覚だなと思って投げました。前回(8月4日)よりいい。この感じで投げられれば」。明るい表情で、敵地へと向かっていった。
高橋光がファーム調整中に、2年目の今井が1軍デビューし、すでに2勝を挙げている。その後輩の姿に「自分も呑気にやってられないなという気持ちになりますし、一応先輩なので、お互い良い刺激をしあって切磋琢磨して、チームをどんどん勢いに乗せられたら」と、4年目の先輩右腕は年下のライバルへの対抗心を少しのぞかせる。
高橋光の翌日、9日の同戦ではその今井が先発する予定。「先に投げるので、なんとかいいところを見せて(つなげたい)。(今井も)頑張ろうと思ってもらえるような投球をしたいなと思います」。若獅子2人が活躍すれば、首位を走るチームに、さらに勢いをもたらすことが出来る。
昨年は開幕ローテーション入りを果たしたものの、右肩の故障で長期離脱。終盤復帰したものの悔しいシーズンとなった高橋光。「チャンスをいただけたのでなんとかものにして、しっかりと投げて、1試合でも多く投げられるようにしたいと思います」。7日には母校・前橋育英が甲子園で1回戦を突破。後輩たちの勇姿にも刺激を受けたことだろう。いよいよ戻ってくる高橋光。様々な思いを胸に、京セラドームのマウンドに立つ。
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