リーグ優勝、クライマックスシリーズ進出争いが激しくなる中、ペナントレースとはまた別の楽しみといえば、個人タイトルだろう。今季も「一流の証」を懸けて、熾烈な戦いが繰り広げられている。ただ昨季タイトルを獲得したパ・リーグの投手は、故障や不振が目立つ。
最優秀防御率、最多勝利に輝いた埼玉西武・菊池雄星投手は故障で離脱した時期もあったが、ここまで奪三振はリーグ4位の97、防御率はリーグ5位の3.15、勝利数もリーグ7位タイの8勝。5年連続最多奪三振のタイトルを目指す東北楽天・則本昂大投手はリーグ2位の121奪三振を記録。しかし、その他の多くの投手は故障や不調に苦しんでいる。
昨季46HPを挙げ最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した福岡ソフトバンク・岩嵜翔投手は、開幕直後に「右肘鏡視下滑膜切除術・関節形成術」を受けたため、今季の登板はわずか2試合、2HPとなっている。
同じ福岡ソフトバンクで、シーズン新記録となる54セーブを挙げて最多セーブを獲得したサファテ投手も、開幕後すぐに「右股関節鏡視下関節唇修復術」で離脱してしまった。4年連続の最多セーブ、通算250セーブ達成も絶望的だ。
菊池投手とともに最多勝を獲った福岡ソフトバンク・東浜巨投手は、春先からピリッとせず1勝5敗、防御率4.88。5月26日に右肩関節機能不全の症状が見られたため、一軍登録を抹消された。7月24日の広島との二軍戦を5回3失点で抑えており、8月7日に一軍先発予定だが、2年連続のタイトル獲得はかなり厳しい。
勝率1位に輝いた福岡ソフトバンク・千賀滉大投手は、7勝4敗、防御率3.97という成績だが、昨季タイトルを獲得し、2年連続で2桁勝利、防御率2点台をマークしていたことを考えるとやや物足りない。7月31日の埼玉西武戦では6回11安打、5被弾7失点と、ここ数年の千賀投手からしたら“らしくない"投球だった。
苦しむ昨季のタイトルホルダーたち。本来の調子ならばタイトルを獲得できる力を持っているだけに、ここからの巻き返しに期待したい。
●最優秀防御率
埼玉西武・菊池雄星投手(17年)1.97→(18年)3.15
●勝率第1位
福岡ソフトバンク・千賀滉大投手(17年).765→(18年).636
●最多奪三振
東北楽天・則本昂大投手(17年)222→(18年)121
●最多勝利
埼玉西武・菊池雄星投手(17年)16勝 →(18年)8勝
福岡ソフトバンク・東浜巨投手(17年)16勝 →(18年)1勝
●最多セーブ
福岡ソフトバンク・サファテ投手(17年)54S →(18年)5S
●最優秀中継ぎ投手
福岡ソフトバンク・岩嵜翔投手(17年)46HP →(18年)2HP
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