「巻き返しの5月」へ。楽天、弾みのサヨナラ勝ち

パ・リーグ インサイト

2016.5.3(火) 00:00

楽天生命パーク宮城(C)PLM
楽天生命パーク宮城(C)PLM

時間にしてわずか5分ほどだろうか。一気に試合を決めた。楽天が3日、9回2死からの逆転劇で千葉ロッテを下した。がけっぷちで大きな1勝を手に入れた。

2死2塁、嶋選手が得意の右打ち。清田選手の頭上を越える右翼への同点となる適時二塁打。2塁ベース上で絶叫しながら喜びを表現した。さらに続く岡島選手。守護神・西野投手の140キロのフォークを迷いなく振り抜き、またも右翼方向へ。清田選手は適時打を確信して追うのを諦めた。3塁ベース上を回った嶋選手はベンチのナインをあおる。瞬く間に岡島選手がヒーローのウオーターシャワーを浴びた。

1点差ではあったが、好調千葉ロッテの勝ちゲームとも言える内容だった。3回、1死2塁、ナバーロ選手が中堅へ先制の適時打。4月下旬から戦線に復帰後 、8試合すべてで安打を記録中の「恐怖の助っ人」が均衡を破った。さらにナバーロ選手は8回1死2塁、銀次選手の一二塁間を抜けようかという打球に横っ飛びキャッチで追いつき、相手のチャンスをつぶすなど攻守に活躍。先発の石川投手も7回無失点の気迫の投球と、投打の集中力が垣間見られた内容だった。

ゴールデンウィークの本拠地初戦、2万6489人の大声援も手伝って、岡島選手の打席は球場全体がお祭り騒ぎだった。お立ち台に選らばれた嶋選手、岡島選手は興奮さめやらないテンションで、ともに「最高です!」と笑顔を振りまいた。

すでにオリックスが埼玉西武に勝ち、敗れれば最下位転落となっていた状況。連敗中のチームを踏みとどまらせた。8回1失点と好投した先発・塩見投手の存在も忘れてはならない。嶋選手は 「塩見が一生懸命投げてくれて、ミコ(ミコライオ投手)も一生懸命投げてくれて、やるしかないという気持ちでした」と、左腕と今季初勝利の助っ人を立てた。

3・4月は11勝14敗2分。好調だったのは開幕当初のみ。失速の原因は、チームを支えていたレギュラー陣の相次ぐ離脱だった。今江選手、藤田選手、そして岡島選手。だが藤田選手、岡島選手も先週に復帰。この日、今江選手が5番に座ったことで、ベストメンバーがそろったといえる。腰痛から戻ってきた岡島選手は「休んだ分は取り返せていない。もっともっと打てるように頑張る」と、さらなる活躍をファンに誓った。

この日は球界初となる、球場内観覧車が「デビュー」。左翼席後方にそびえ立った観覧車には長蛇の列ができた。梨田監督は「観覧車も回って、打線も回ったね」と試合後に満面の笑みを見せた。

埼玉西武に代わって4位に浮上。3位の北海道日本ハムへも0.5差とAクラスも視界に捉えた。「苦しい戦いが続きますが、これを機に乗っていきます」と力強くファンに誓った主将の嶋選手。主力が戻った楽天。巻き返しの5月としたい。

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