打線をけん引する今シーズン
ここまで多くの試合で1番打者を務めるなど、打線をけん引する働きを見せている千葉ロッテ・岡大海選手。6月には月間打率.361をマークし、NPB新記録となる8試合連続二塁打を達成した。今シーズンは球界全体が投高打低の傾向にあるなかで、バッティングの確実性と長打力の両方を向上させている。
ストレートへの対応力が際立つ
打撃好調の要因として、まずは確実性の向上に関わるポイントを2つ紹介したい。1つ目はストレートへの対応力だ。コンタクト率は2022年までリーグ平均前後の数値だったが、昨季は90%台に乗り、今季はさらに94.4%をマークしている。スイングの精度の高さは成績にも表れており、ストレートの打率は前年の.319から.364に大幅アップ。規定打席到達者の中では佐藤都志也選手、近藤健介選手、ソト選手に次ぐリーグ4位の数字を残している。
弱点だった内角が今季は得意コースに
もう1つはインコースの投球に対する強さだ。2022、23年は内角の打率が2割前後で、他のコースに比べて明確な弱点となっていた。しかし今季は打率.328と、リーグトップクラスの数値をマーク。弱点を克服するにとどまらず、むしろ得意コースともいえる水準まで向上させた。
ゴロ打球が減少し、キャリア最高のフライ割合を記録
続いては長打力の向上にスポットを当てていく。岡選手はプロ入りから昨季までの10シーズン、いずれもフライ打球よりゴロ打球の方が多かった。昨年オフの自主トレでは「バッティングフォームを見直し、スイングスピードを早くする」こと、「ゴロを打たず、ライナーの打球を増やす」ことを意識したという。その言葉通り、今季はゴロの割合がキャリアで最も低くなり、その分フライ割合が増加。長打が発生しやすい外野フライの割合は昨季の36.3%から今季は43.4%となり、自身初めてリーグ平均を超える数値をマークしている。
引っ張りとライナー打球が増加
スイングスピードやライナーについても、トレーニングの効果をうかがわせるデータがある。今季は左方向へ引っ張った打球が多くなり、その打球に占めるライナーの割合も増加しているのだ。岡選手はリーグ屈指の俊足も武器としており、強い打球が多くなればハイペースで二塁打を量産できるのもうなずける。
「ヒロミナイト」「ヒロミサンセット」と呼ばれる劇的なサヨナラ打など、印象的な活躍でファンを沸かせてきた岡選手。鋭さを増したスイングから、次はどんな一打が生まれるのか。後半戦も背番号25のプレーに注目していきたい。
※文章、表中の数字はすべて2024年7月11日終了時点
文・データスタジアム
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