雨が降りしきるZOZOマリンスタジアムに“美爆音”が響きわたった。

　千葉ロッテマリーンズは、6月28日（金）から30日（日）の対オリックス3連戦にて、千葉の魅力を発信するイベント「ALL FOR CHIBA FES」を開催。初日の28日（金）、習志野市立習志野高校吹奏楽部が来場し、部員191名が圧巻のパフォーマンスを披露した。

　習志野高校吹奏楽部との取り組みは、2018年から始まり今回で5度目。吹奏楽部では5月からこのイベントに向けた練習を始め、本番数日前の予行練習後も調整を重ねたという。

　顧問の竹澤優次先生は「もともとマリーンズファンの生徒や、この取り組みをきっかけにマリーンズファンになった生徒もたくさんいて、日々試合をチェックしたり当日の天気を心配したり、開催日が近づくにつれて気持ちの高ぶりが見られました。30,000人近くのお客さまの前で演奏するのは、一年のうちあっても一回、生徒によっては一生に一回あるかないかの機会だと思います。ファンの方々との一体感を持って、楽しんで演奏してもらえたらというのが一番の願いです」と期待を込める。

　部長の松元眞紀さんも「昨年と比べて、千葉ロッテマリーンズさんの選手応援歌を多く取り入れて応援することになり、力を入れて練習してきました。高校3年生という最後の年なので、かなり気合いを入れて頑張りたいです」と強く意気込んだ。

　朝から降り続いた雨は試合開始直前になっても止まず、レインウェアでしのぎながらのマーチングパフォーマンスとなったものの、『かもめが翔んだ日』や『WE LOVE MARINES』など、迫力のある演奏でスタジアムを沸かせた。

　予定より40分遅れて開始した試合は、初回に先発・小島和哉投手が先制打を浴びるも、2回裏に上田希由翔選手と高部瑛斗選手の2者連続適時打、小川龍成選手の犠飛で千葉ロッテが4点を奪う。直後に2点を返された小島投手だったが、中盤以降は一人の走者も許さず、7回を4安打8奪三振3失点（自責点2）にまとめた。

　5回裏終了後のイニング間イベント「ALL FOR CHIBA ご当地キャラダービー」はG1ファンファーレ、千葉ロッテのラッキー7では球団歌で鼓舞した習志野高校吹奏楽部。7回裏にはおなじみの『レッツゴー習志野』を演奏すると、ライトスタンドのボルテージは一層高まった。2死1、2塁となったところで雨脚が強まり、試合は一時中断に。そんななかでも、生徒たちはスタジアムDJが流すヒット曲にノリノリで熱唱！　野外フェスさながらの盛り上がりを見せた。

　結局、27分間の中断を経て降雨コールドが告げられ、4対3で千葉ロッテが勝利。一体感のある音色も選手を後押ししたに違いない。

　何度も練習したという『歓喜のテーマ』で喜びを分かち合った後、部長の松元さんは「自分たちが3年生の年に（習志野高校吹奏楽部来場試合）初勝利を飾ることができて、とてもうれしいです！」と喜びを語った。副部長の前野向日葵さんは「雨だからこそファンの方々との一体感が生まれて、とても楽しく演奏できました」と充実した表情を見せ、同じく副部長を務める石澤凛さんも「3学年全員で演奏できて、良い思い出になりました」と笑顔がはじけた。

取材・文　高橋優奈

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