パ・リーグ後半戦をかき回す快進撃。「平石楽天」に注意せよ

パ・リーグ インサイト

2018.7.28(土) 18:17

東北楽天ゴールデンイーグルス・平石洋介監督(C)PLM
東北楽天ゴールデンイーグルス・平石洋介監督(C)PLM

オリックスの背中が見えて来た、と表現するのはまだ早いか。だが、そう期待させるだけの勢いがある。最下位の東北楽天が福岡ソフトバンクに連勝し、3連戦の勝ち越しを決めた。

後半戦開幕後これで9勝1敗。5位オリックスが北海道日本ハムに敗れたため、ゲーム差は3.5ゲーム差となった。福岡ソフトバンクは借金生活に突入した。

初回の3点があれば十分だった。先発の岸投手は118球、5安打1失点で5月24日以来の完投勝利。「初回から点数を取ってくれて、僕もその流れに乗って気持ちよく投げられました」。8回無死一塁から今宮選手に中越適時二塁打を打たれたところが唯一のピンチだったが、その後上林選手、牧原選手、内川選手の上位打線をキッチリ抑えて最少失点とした。奪三振数も118となり、リーグトップの則本投手に並んだ。

岸投手が感謝した通り、今の楽天打線には破壊力がある。初回、先頭の田中選手が左翼に9号ソロ。生え抜き選手では茂木選手、島内選手しか成し遂げていない2桁本塁打まで、あと1と迫る一撃で流れを作ると、なお二死二塁から銀次選手、アマダー選手が2者連続適時打。

さらに2回、4回には島内選手が2打席連続の適時打。この日3安打で打率.277まで上昇させた。7回にはアマダー選手が左翼にソロ弾。2年連続の20本塁打を達成させた。終わってみれば14安打7得点の快勝劇だ。

6月17日から平石監督代行が就任し、これで17勝9敗。前半戦までを五分(8勝8敗)で終え、後半戦で一気に走り出した格好だ。指揮26試合で特筆すべきは、無得点試合がまだないこと。

田中選手、茂木選手、島内選手、今江選手、銀次選手という1番から5番は動かさず、アマダー選手、ペゲーロ選手を6番、8番に置くことで相手球団にプレッシャーをかける。二塁・藤田選手、捕手・嶋選手という経験豊富なベテランには揺るがぬ信頼感で送り出す。それまでは流動的だったスタメンを固定したことで、選手も迷いなく自身のプレーに集中できている印象だ。

5位のオリックスがここに来て8連敗。ゲーム差が3.5まで縮まった。一時期は5位と13.5ゲーム差、楽天以外全軍貯金生活、などと、屈辱的な数字が並ぶこともあったが、それも過去の話。後半戦のパ・リーグの、カギを握る存在になりそうだ。

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