【試合戦評】抑えの増井投手が崩れた北海道日本ハム。痛恨のサヨナラ負けで連敗

パ・リーグ インサイト

2017.6.4(日) 00:00

昨日まででパ・リーグ21勝、セ・リーグ9勝と今季も「実力のパ」を見せつける結果になっている「日本生命セ・パ交流戦」。1勝1敗で迎えるこのカードの最終戦、北海道日本ハムは米球界から7年ぶりに日本球界復帰の村田投手が5月3日以来の先発。交流戦に入ってから先発投手が5回前後で降りる試合が続くだけに、長いイニングを投げてプロ初勝利をつかみ取りたいところだ。一方の阪神はルーキー・小野投手がプロ初勝利を目指して3度目の先発マウンドへ。未だ打率4割を保つ近藤選手を筆頭に個性的な選手が並ぶ北海道日本ハム打線にどのように挑んでいくか、注目が集まる。

キレのある速球を中心に低めへボールを集める阪神・小野投手を前に、北海道日本ハムは3回まで無得点に終わる。一方、村田投手は変化球をコーナーに集める投球で2イニングスを無失点に抑えたものの、3回裏に1死1,2塁から阪神・高山選手に中前適時打を浴び、先制点を許してしまう。

4回表の攻撃が3者凡退に終わり、流れを変えたい北海道日本ハムは5回に早くも村田投手の打順で代打・市川選手を起用。しかし、三振に終わりこの回も3者凡退となってしまう。

5回裏から北海道日本ハムは公文投手がマウンドへ。2試合ぶりの登板となった左腕は1番・糸井選手から始まる上位打線をわずか10球で3者凡退に打ち取り、流れを呼び込む投球を見せる。すると直後の6回表に先頭の西川選手が左前に安打を放ち出塁、松本選手が初球で犠打を決め1死2塁と好機を演出する。この場面で今日3番に入ったレアード選手が中越えの適時二塁打、さらに続く中田選手が中前に適時打を放ち、上位の攻撃で北海道日本ハムが逆転に成功した。

6回裏には谷元投手が登板。球速こそ140キロ前後ながら丁寧に低めに集められたキレのある直球を中心に、4番・福留選手から始まる阪神打線から3者連続で三振を奪う圧巻の投球を披露する。7回は宮西投手、8回をマーティン投手がそれぞれ3者凡退に抑え、9回の攻撃では北海道日本ハムが相手のミスから1点を加えた。

2点差で迎えた9回裏だったが、マウンドに上がった増井投手が先頭の福留選手から3者連続で四球を与え、無死満塁と絶対絶命のピンチを迎える。まずは糸原選手を二ゴロに打ち取りアウトをとったものの1点を失い、代打・原口選手に痛恨の中前適時打を許し、土壇場で試合は振り出しに戻った。

10回表の攻撃は阪神・ドリス投手に対し2死から西川選手が出塁。そこでカード初戦・2戦目とドリス投手から安打を放っている松本選手が打席に入ったが、見逃し三振に倒れてこの回無得点に終わる。

10回裏に登板した鍵谷投手が2三振を奪うなど3者凡退に打ち取って迎えた11回表は、2死から田中賢選手が四球で出塁、続く大田選手が左前打で続き得点圏に走者を進める。勝ち越しの機運が高まったが、続く大野選手が凡退しこの回もリードを奪うことはできなかった。

悪い流れが響いたのか、直後の阪神の攻撃で先頭・大和選手に四球を与えると、続く鳥谷選手の送りバントを捕手の大野選手が痛恨の送球ミス。さらにもう一つ失策が重なり1死満塁とまたも大ピンチとなる。この場面で阪神・岡崎選手がファウルで粘って13球目を三塁線にはじき返し、試合に終止符を打った。

9回に痛恨の失点を許した北海道日本ハムがサヨナラ負けを喫した。阪神先発の小野投手に序盤は抑え込まれながらも6回に集中打で逆転し、公文投手を始めとしたリリーフ陣も好投を見せただけに悔しい敗戦となった。北海道日本ハムはこれで交流戦の勝敗は3勝3敗の五分に。火曜日からはセ・リーグ首位の広島を本拠地・札幌ドームで迎え撃つだけに、しっかり切り替えて臨みたいところだ。

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