かつて斉藤和巳氏が身に着けた福岡ソフトバンクにとって偉大な背番号・66を背負い、松本裕投手はプロ初先発のマウンドへ上がった。今季のウエスタンリーグでは3勝3敗、防御率2.43と安定した投球を見せており、故障者での離脱などにより苦しい先発投手陣の救世主となれるか、期待がかかる。
対する北海道日本ハムの先発は有原投手。前回登板のオリックス戦では6回1/3を投げ、3失点で今季3勝目をマーク。開幕から4連敗と苦しんだが、5月は3連勝中と波に乗っており今日も勝ち星をつかんで自身の連勝を伸ばしたいところだ。
昨日の試合と同様に今日の試合も初回から試合が動く。1番・明石選手が右中間を破る二塁打を放つと、犠打、四球により1死1,3塁の好機を作る。ここで4番・内川選手の一二塁間を破る適時打で先制すると、5番・デスパイネ選手が積極的に初球打ち。右中間方向へ4試合連続となるリーグトップタイの14号3ランを放ち、4点を先制。これで福岡ソフトバンクは5試合連続で初回に先制となった。
しかし、直後の1回裏、北海道日本ハムもプロ初先発の松本裕投手にプロの洗礼を浴びせる。3四球で2死満塁の好機を作ると、6番・田中賢選手がカウント1-2から内角のチェンジアップをうまくさばいで2点適時打を放つ。
2回は両投手が無失点に抑えるが、3回、4回と福岡ソフトバンク打線が猛攻を見せる。3回表、先頭の今宮選手の二塁打を皮切りに、柳田選手の適時二塁打で追加点を挙げる。2死となるものの、6番・中村晃選手の巧みな打撃でさらに1点を加える。さらに、7番・松田選手が甘いカーブをすくい上げ、左翼席に飛び込む9号2ラン。4回表には4番・内川選手の一発などで3点を追加。11対2とし、福岡ソフトバンクが試合の主導権をガッチリと握る。
しかし、北海道日本ハムが4回裏に2死2塁から近藤選手の適時打で1点を返す。さらに5回裏に代打・杉谷選手が2点適時打。ここで松本裕投手は勝利投手の権利まで後一歩というところで無念の降板となり、救援陣に後を託す。しかし、北海道日本ハム打線の勢いは衰えない。2死3塁から岡選手の適時打などでこの回一挙4得点で11対7とし、試合は終盤の攻防に移る。
7回表に福岡ソフトバンクが上林選手の適時打などで2点を加えて再び6点差とするも、すかさず北海道日本ハムが7回裏にレアード選手の適時打で1点を返して13対8。しかし、その後は両軍の救援陣が踏ん張りを見せてそのままゲームセット。互いに打線が爆発した打撃戦を福岡ソフトバンクが制し、今カード1勝1敗のタイに持ち込んだ。
プロ初先発となった松本裕投手だが、4回1/3、被安打9、与四球5、6失点と厳しい結果となってしまった。勝利投手の権利を得る直前で無念の降板となったが、2回、3回に見せた強気の投球を継続できれば、今後はローテーションの一角を担う投手へと成長できるだろう。
一方、北海道日本ハムは『北海道シリーズ2017 WE LOVE HOKKAIDO』で8連勝中だったが、連勝は今日でストップ。明日は北海道シリーズ最終日となるだけに、詰め掛けたファンへ勝利を届けたい。
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