賞レースの候補者を格付け、新人王は大谷とヤンキースのトーレスが一騎打ち?
エンゼルスの大谷翔平投手はメジャー1年目の前半戦を終えた。指名打者としては45試合出場で打率.283、7本塁打、22打点。投手としては右肘靭帯損傷で離脱するまで、9試合に先発し、4勝1敗、49回1/3で61奪三振、防御率3.10といずれも好成績を残している。
AP通信では前半戦の結果から今季の賞レースの候補者を格付け。ア・リーグMVP候補筆頭にはチームメートの天才マイク・トラウト外野手が選出される一方、肘の故障で約1か月離脱した大谷は新人王最有力候補に選出されている。
ア・リーグの新人王は現時点で二頭立て。大谷、そして、ヤンキースのグレイバー・トーレス内野手だ。
だが、AP通信は現時点での受賞者は「大谷」と予想している。もし新人王に輝けば、日本人メジャーリーガーでは1995年の野茂英雄(ドジャース)、2000年の佐々木主浩(マリナーズ)、01年のイチロー(マリナーズ)に続いて史上4人目となる。
ライバルは強力だ。超有望株として期待されていた21歳のトーレスは現在、故障者リスト(DL)入りしているものの、打率.294、15本塁打、42打点とブレーク。AP通信は寸評で「トーレスはわずかにオオタニをOPSで上回り、84打席以上多く立っている。それに加え、トーレスは二塁を守っている。問題はオオタニの先発登板9試合で防御率3.10という成績がそれを補うか、だ。現在のところ僅差だ」と分析している。メジャーで評価基準の1つとして重視されているOPS(出塁率+長打率)は、大谷が.887、トーレスが.905となっている。
鍵は投手としての復帰!?「トーレスが追い越すことに…」
大谷は指名打者のため、守備に就くことはない。さらに、肘の治療での離脱期間があり、二刀流でプレーしていた時は先発登板日の前後に打席に立つことはなかっため、打席数では大差をつけられている。それでも、現時点では大谷が新人王争いでわずかに有利だという。
一方で、寸評では「もしも、肘の故障がオオタニをマウンドから遠ざけるなら、トーレスが追い越すことになりそうだ」とも指摘。19日(日本時間20日)に肘の再検査を行う予定の大谷だが、投手としての復帰こそが賞レースの行方を左右すると分析している。
また、ア・リーグMVPはレッドソックスのムーキー・ベッツ外野手、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手、インディアンスのフランシスコ・リンドーア内野手、ホセ・ラミレス内野手も名を連ねる中、大谷の同僚トラウトが最有力候補に選出されている。トラウトが選出されれば、8月に27歳になるという若さながら、早くも3度目のMVP受賞となる。
トラウト、大谷、そして、アンドレルトン・シモンズ内野手の奮闘が目立つエンゼルス。プレーオフ進出は厳しい状況となっているが、MVPと新人王のダブル受賞は実現するのだろうか。
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