昨日の試合では川島選手の先頭打者本塁打に始まり、4発の花火が打ちあがる一発攻勢で千葉ロッテを圧倒した福岡ソフトバンク。今季の対戦成績も10勝1敗と相性の良さを発揮している。
そんな今日の福岡ソフトバンクの先発は中田投手。今季ロッテ戦2試合に先発し、防御率1.20と抜群の安定感を見せている。また、甲斐選手とは今季初めてバッテリーを組むため、その点も注目が集まる。対する千葉ロッテはベンチのホワイトボードに『闘魂』の文字が力強く書かれ、チームとして今日の試合に対する勝利への強い想いが表れていた。そんな試合の先発を託されたのはルーキーの佐々木投手。4連敗中の自身のために、そしてカード3連敗を避けたいチームのために、何としても勝ち星を掴みたい。
試合は昨日の余韻がまだ残っているかのように、序盤から動き出す。先頭の川崎選手が安打を放って出塁し、佐々木投手の暴投の隙に進塁すると、2番・今宮選手が犠打を決める。1死3塁から、柳田選手がコンパクトに中前適時打を放ち、さらに続く内川選手が3試合連続となる10号2ランで追加点。福岡ソフトバンクが初回から3点を先制し、中田投手に援護点をプレゼントする。
しかし、鴎打線も負けてはいない。直後の2回表に、鈴木選手、ダフィー選手の一発攻勢で2点を返して1点差に迫ると、4回表には1死から6番・井口選手が内野安打で出塁し、7番・清田選手と続くダフィー選手が連続で死球を受ける。そして満塁の好機から田村選手が、ど真ん中の直球を中前に運んで逆転の2点適時打。さらに1死1,2塁から、大嶺翔選手が初球の真ん中へ甘く入った直球を捉えると、打球は左翼方向へと放物線を描きスタンドイン。2号3ランでスコアを7対3とし、一気に福岡ソフトバンクを突き放す。
福岡ソフトバンクは5回表から加治屋投手へスイッチするものの、一度傾いた流れはなかなか簡単には変わらない。先頭の角中選手が粘って四球を選び、1死1塁から井口選手が高めに浮いた直球を完璧に捉えると、打った瞬間にそれと分かる2ラン。さらに、この本塁打は井口選手の日本通算250本塁打となるメモリアルアーチ。「ここ福岡で250号打てたのは何かあるのかな。素直に嬉しいね」と振り返るとおり、福岡でプロキャリアをスタートさせた井口選手にとって、思い出の地での記念すべき本塁打となった。
千葉ロッテ打線は6回表にも内野ゴロの間に1点を挙げると、7回表にはダフィー選手が中翼方向へ低い弾道で飛んでいく今日2本目の本塁打を放ち、スコアを12対3とした。
2回以降、佐々木投手の落ちる球にタイミングが合わず、凡打の山を築いていた福岡ソフトバンク打線だったが、7回裏に再び目を覚ます。まずは代打・鶴岡選手の適時打と川﨑選手の犠飛で2点を返すと、8回裏にはデスパイネ選手の右中間へのソロで6点差まで詰め寄る。9回裏にも1点を返したが、両軍合わせて7発の本塁打が飛び交う乱打戦は、12対7で千葉ロッテが制した。
今季ここまで対ソフトバンク戦で1勝しか挙げられていなかった千葉ロッテだったが、今季初の2桁得点を挙げるなど、昨夜までとは一転して打撃陣の好調さを見せつける結果となった。今日の大量得点を機に勝ち星を積み重ね、上昇気流へ乗って交流戦へ突入したいものだ。
先発の佐々木投手は、6回を投げて被安打6、奪三振8、無四球、失点3で、4月6日の北海道日本ハム戦以来となるプロ2勝目をマーク。今日の試合では、落ちる変化球で空振りを取る場面が散見されたため、今後もそれが武器となっていくだろう。千葉ロッテの先発投手陣の屋台骨を支える活躍に注目だ。
記事提供: