不動の主軸に、新戦力もランクイン。各球団の前半戦MVPは?

パ・リーグ インサイト

2018.7.14(土) 22:22

埼玉西武ライオンズ・秋山翔吾選手(C)PLM
埼玉西武ライオンズ・秋山翔吾選手(C)PLM

3月30日に開幕したプロ野球も、7月11日にオールスター前の戦いを終えた。前半戦は埼玉西武が首位で終えたが、5位・千葉ロッテまでわずかに6.5ゲーム差。今季は例年以上に混戦となっている。そんな前半戦、MVP級の働きを見せた選手の活躍ぶりを振り返っていきたい。

●埼玉西武
秋山翔吾選手
78試合 325打数114安打13本塁打49打点 打率.351

投手陣はリーグワーストのチーム防御率4.30だが、打の力で開幕から首位を走る埼玉西武。この状況で前半戦のMVPを選ぶとしたら、やはり両リーグトップのチーム打率.276、同トップのチーム得点数436を誇る打線からになるだろう。

前半戦リーグトップの23本塁打、70打点をマークした山川穂高選手をはじめ、浅村栄斗選手、源田壮亮選手、外崎修汰選手などがいるが、前半戦のMVPを一人あげるとすれば秋山翔吾選手ではないか。不動のトップバッターとして、前半戦はリーグトップの打率.351をマークするなどチームを牽引。好不調の波がある選手が多かった中で、秋山選手は全ての月で月間打率3割以上を記録。出塁率もリーグ2位の.430と、チーム得点の436は秋山選手の出塁が生んだと言っても過言ではないだろう。

●北海道日本ハム
上沢直之投手
14試合8勝3敗0S 93回1/3 防御率2.22

北海道日本ハムは二刀流・大谷翔平選手、セットアッパー・マーティン投手、守護神・増井浩俊投手、正捕手・大野奨太選手など主力の多くがチームを離れ、下馬評が低かった中で首位・埼玉西武と2.5ゲーム差の2位で前半戦を終えた。

前半戦を2位で終えられた要因は、リーグナンバー1のチーム防御率3.48を記録する投手陣にある。上沢直之投手は、大谷選手の穴を埋める活躍を見せ、エース格に成長した。特に5月は16日の埼玉西武戦、23日の千葉ロッテ戦で2試合連続完封勝利。既にシーズン自己最多タイの8勝を挙げており、後半戦は自身初となる2桁勝利、そしてタイトル獲得にも期待がかかる。

●福岡ソフトバンク
柳田悠岐選手
76試合 291打数101安打20本塁打58打点 打率.347

投打ともに圧倒的な戦力を誇り、シーズン開幕前には多くの解説者が福岡ソフトバンクの優勝を予想した。いざシーズンが開幕すると、守護神・サファテ投手、セットアッパーの岩嵜翔投手をはじめ、主力に故障者が続出。11日の試合で千葉ロッテが敗れたため、なんとか前半戦Bクラスを回避できたが、3位という成績だった。

故障者が多く思った戦いができなかった中、柳田悠岐選手は前半戦も“いつも通り"の活躍を見せた。打率はリーグ3位の.347、本塁打はリーグ2位の20本塁打、打点はリーグ5位の58打点と、三冠王も夢ではない。さらに盗塁は16盗塁をマークしており、3年ぶりのトリプルスリーも見えている。

●オリックス
山本由伸投手
35試合4勝1敗1S 35回 防御率1.29

北海道日本ハムと同様にシーズン前の評価はそこまで高くなかったオリックスだが、39勝37敗4分の3位で前半戦の戦いを終えた。チーム防御率は北海道日本ハムに次いで、リーグ2位の3.55。特に勝ちパターンを務める吉田一将投手、山本由伸投手、守護神・増井浩俊投手の3人は防御率1点台と抜群の安定感を誇った。

前半戦好調だったオリックスのMVPを挙げるとすれば、高卒2年目の山本投手ではないだろうか。開幕前は先発ローテーション入りを争っていた山本投手だったが、シーズンが開幕してからはリリーフに専念。勝ちパターンに組み込まれると、高卒2年目とは思えないほどの強心臓ぶりで、敵チームの打者をねじ伏せていった。26ホールドポイントはリーグトップで、最優秀中継ぎ投手のタイトル、さらには資格が残っている新人王への期待もかかる。

●千葉ロッテ
ボルシンガー投手
13試合11勝1敗0S 83回1/3 防御率2.16

2015年、2016年と2年連続でAクラス入りを果たした千葉ロッテだったが、昨季は一転球団ワーストとなる87敗を喫し最下位に沈んだ。不確定要素が多く今季も、厳しい戦いが予想されていた。しかし、新外国人のボルシンガー投手の活躍、石川歩投手の復活、荻野貴司選手の1番固定、中村奨吾選手、井上晴哉選手の覚醒、ルーキー・藤岡裕大選手の遊撃固定など、ポジティブ要素が多くリーグ5位ではあるものの、前半戦は40勝38敗2分と勝ち越しに成功した。

そんな中で、新外国人のボルシンガー投手の前半戦の働きは、素晴らしかった。オープン戦は制球難に苦しんだが、シーズンが始まってからはしっかりと日本の野球に順応。5月4日の北海道日本ハム戦から自身10連勝中で、6月には月間MVPに選出された。勝利数はリーグトップの11勝をマークしており、9勝を挙げる石川投手とともに後半戦もチームを引っ張っていく。

●東北楽天
岸孝之投手
14試合8勝1敗0S 107回 防御率1.85

昨季はリーグ優勝した2013年以来となるAクラス入りを果たした楽天だが、今季は投打ともに精彩を欠き、交流戦期間中には梨田昌孝監督が辞任するなど、前半戦は29勝49敗1分の最下位に終わった。

チームの借金が20ある中、岸孝之投手は8勝1敗で7つの貯金を作り、まさに孤軍奮闘の働きだった。防御率はリーグトップの1.85をマークし、投球回数もリーグトップの107イニング。先発の指標の一つとされるQS(6回3自責点以内)も14試合中12試合でクリアした。チームは苦しい状況が続くが、岸投手、則本投手の両エースで白星を積み重ね、巻き返しを図りたい。

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