【試合戦評】プロ初スタメン、初安打のルーキー・田中選手の初本塁打が決勝点。楽天が延長12回に及ぶ投手戦を制す

パ・リーグ インサイト

2017.5.20(土) 00:00

昨夜の試合では、延長10回裏までもつれ込んだ末に、根元選手の殊勲打で千葉ロッテが劇的なサヨナラ勝利を決めた。連敗を脱した千葉ロッテの今日の先発は二木投手、楽天は美馬投手である。

二木投手は、前回登板で3回5失点と崩れたが、その日を除けばコンスタントに試合を作り続けてきた。1勝先取で迎えた今日は、首位を相手にカード勝ち越しを目指したい。対する美馬投手は、前回登板で初黒星を喫したものの、ローテーションの柱の1人として期待以上の結果を残している。今季のチームの持ち味でもある粘り強さを発揮して、今カードの勝敗を五分に戻したい。

初回、二木投手は楽天打線を危なげなく3者凡退に抑える。その裏の美馬投手も、走者こそ出すものの無失点。両投手ともに、上々の立ち上がりを披露する。

その後、両チームの打線は幾度となく好機を演出するものの、得点を奪うことができず。試合は早くも投手戦の様相を呈し、ゼロ行進のまま緊迫した展開が続く。

楽天の先発・美馬投手は、4回裏から4イニングス連続で3者凡退。7回裏に至っては、千葉ロッテのクリーンアップを相手に、変化球中心の組み立てで3者連続三振に切って取る圧巻の投球。初回から一度も3塁すら踏ませず、付け入る隙をまったく与えない。一方の二木投手も、150キロに迫る直球と鋭く落ちるフォークを武器に、パ・リーグトップのチーム打率を誇る楽天打線を手玉に取り、7回無失点。8回以降は救援陣にマウンドを託す。

8回表は大谷投手、9回表は内投手、9回裏は美馬投手がいずれも無失点に抑え、試合は2日連続となる延長戦へ突入。10回表、楽天のルーキー・田中選手にプロ初安打が飛び出すものの、同じくルーキーの有吉投手が後続を断つ。

その裏に登板したハーマン投手が好救援を見せるなどして、0対0のこう着状態のまま迎えた12回表。2死からアマダー選手が四球で出塁し、10回表にプロ初安打を記録したばかりの田中選手が打席に立つ。田中選手は、土肥投手を相手にフルカウントまで粘り、試合の均衡を破る値千金の2ラン。延長12回表にして、この試合初となる得点を挙げた。

12回裏は守護神・松井裕投手が登板。サヨナラの機会を窺う千葉ロッテ打線を3者凡退に抑え込み、ルーキーが挙げた貴重な2点を守り抜いた。

息詰まる投手戦となった今日の試合は、2対0で楽天が勝利。勝ち星こそ付かなかったものの、先発・美馬投手は9回を投げて被安打3、奪三振10、無四球、無失点。ハーマン投手、福山投手、松井裕投手とともに、結果的に完封リレーを果たした。敗れた千葉ロッテは、12回表に土肥投手が決勝弾を浴びてしまったとはいえ、7回を投げた二木投手以下、大谷投手、内投手、有吉投手は無失点。両チームの投手陣のレベルの高さを窺わせる試合となった。

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