新人開幕から221試合連続フルイニング出場の新記録
■埼玉西武 8-4 千葉ロッテ(11日・メットライフ)
11日に行われた本拠地千葉ロッテ戦。埼玉西武は前半戦最後の試合を8-4で勝利した。前夜に長嶋茂雄氏(現・巨人終身名誉監督)が持つ新人開幕連続フルイニング出場試合記録に並んでいた源田壮亮が、自身の野球人生初となる5安打で、新記録達成に自ら花を添えた。
前半戦首位が確定している埼玉西武は2回、外崎修太の盗塁を起点に相手のミスから先制点を奪うと、続く3回には7安打6得点の猛攻で7-0と大量リード。先発・榎田大樹は5回2失点で降板したもの、その後は4投手の継投で8-4と逃げ切り、前半戦最終戦を勝利で締めくくった。
この日注目を集めたのは、何と言っても1958年から59年にかけて長嶋氏が樹立した新人開幕連続フルイニング出場の220試合に前日並んだ源田。
およそ60年ぶりの新人記録更新がかかっていたが、試合前に心境を聞かれると「特には変わらない」と自然体。そして、試合終了までグラウンドに立ち続け、長嶋氏の記録を塗り替えた。
「9回に代えようか」と冗談まじりに語っていた辻監督も、「何か持っているんでしょうね」と感心しきりだった。なんとこの日、源田は1試合5安打を記録。内野安打3本と持ち味である走力を十分示しての結果だった。
本人も「記憶にない」という野球人生初の出来事だったが、「たまたまです。自分でもビックリしているので、もうないと思います」と、あくまで謙虚に振り返った。
昨日は「ミスター!」とチームメートから呼ばれ、祝福されたという。その長嶋氏については「(プレー姿を)見る機会はなかったのですが、すごい方。打撃成績とかをちょっとみましたが…とにかくすごい」と「すごい」を連発。
特にどの部分がすごいと感じるかと尋ねられると、「全部です。とにかくすごいと思います」と、長嶋氏への尊敬の思いを口にした。
源田と同様、フルイニング出場を続けている秋山は「体の強さ、そして成績。しんどそうだけど、いてもらわなければチームとして困る選手。ショートというポジションで、しかも先日、指への死球があっても出続けている。これはすごいこと」と、1、2番を組む相棒を褒め称え、「こちらも続けている数字があるので刺激になっている」と、自身も続けるフルイニング出場のモチベーションになっていることを明かした。
試合後、チームメートから「おめでとう!」と祝福されたという源田は、記録更新について「光栄です。偉大な方の記録を抜くことができてうれしいです」と素直に喜んだ。
「使ってもらうからには、ゲームセットまで出ていたい。選手としてはそれが一番だと思う。そうしてもらえるように、できることをちゃんとやっていきたい」と、記録更新に浮かれることなく、今後も変わらぬスタンスで試合に出続けることを誓っていた。
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