オリックス・廣岡大志の実家である「広岡精肉店」も連日の大熱狂
熱戦の続く「SMBC日本シリーズ2023」は4日、阪神が3勝と日本一に王手をかけた状態で第6戦を迎える。オリックス・廣岡大志内野手の実家である「広岡精肉店」も関西ダービーの激闘に熱視線を浴びせる。息子を可愛がるように店長の松尾義則さんは、新天地で躍動する廣岡の活躍を喜んだ。
「毎試合、ここでもう1本! と期待してしまいますね。日本シリーズで何試合も使ってもらっていて『頑張っているなぁ』と実感させてもらってます。スタメンでもベンチでも『大志、今日も頑張れ!』って見ていますよ。大志が活躍してくれると(お店への)効果もすごいですね」
70歳の松尾さんは「広岡精肉店」に勤めて50年を越える。「僕は大志が生まれる前から、勤めさせてもらってますから。大志のおかげで、青春していますよ」。ニッコリと目を細めて、店内に飾るグッズを見渡した。
2015年ドラフト2位で東京ヤクルトに入団した廣岡は、2021年にトレードで巨人に移籍すると、今季5月中旬に再びトレード移籍で地元・大阪に戻ってきた。26歳の奮闘が、お店の人気にも繋がっているようで「最近、仕込みが間に合わないんです(笑)」と松尾さんは微笑むばかりだ。
注目が集まる日本シリーズで“廣岡株”は急上昇している。初戦は出場機会がなかったが、10月29日の第2戦(京セラドーム)は「9番・左翼」でスタメン出場し、4打数2安打1打点の活躍で勝利に貢献。10月31日の第3戦(甲子園)は「8番・左翼」で4打数1安打1打点。11月1日の第4戦も「8番・左翼」でスタメン出場して4打数2安打1打点と力を発揮するなど、シリーズ計17打数5安打の打率.294(4日試合前時点)と気を吐いている。
廣岡の活躍を願う店長「僕たちは元気がもらえます」
午前10時30分に開店する精肉店も、来客が増え「いつもの3倍以上、お客さんが来てくださってます。本当にうれしいばかりです。(開店時には)もう行列を作ってくださっていました。今日と明日は(京セラ)ドームで試合もありますし、観戦の前に足を運んでくださっているようです」と松尾さんは目を輝かせる。
精肉に加えて、揚げ物も購入できるため、テイクアウトを楽しむファンも目立つ。松尾さんは、1番人気の商品を「今はコロッケですね。(テレビなど)いろんな場所でコロッケを紹介してもらっているようで感謝です」と紹介する。
おすすめポイントについては「ひき肉です!」と今年の流行語大賞候補にも選出されている“人気ワード”を口にすると「今、流行っているんですよね? 試合中にポーズを取る選手もいるようで。僕は何のことかわかりませんけど……(笑)。流行に乗っかっていきたいですね」と大きく手を広げた。
今シリーズ2勝3敗で王手をかけられたオリックスは、4日に敗れれば今季日程が終了となる。窮地に立たされているが、4日から2連勝すれば2年連続で日本一に輝けるだけに「本当に大一番ですよね。失うものは何もない。思い切り、全力プレーが持ち味だと思うので、全てを出し切ってほしい。大志、頑張れよ!」と従業員全員で廣岡の背中を押す。
メガネの奥から真っすぐな視線を送る松尾さんは「いつも、大志は用事のある時は顔を出す感じですね。あんまり言いすぎると『やめてくれよ』となるかもしれませんが、今年のオフも待っています。2、3分、話をするだけで、僕たちは元気がもらえますから」。勝機を呼ぶ、しぶとい一打が街を明るくさせる。
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