先週日曜日の快勝により、パ・リーグ単独3位に浮上した埼玉西武。今日の先発は、直近の2試合では調子を落としている野上投手だが、Aクラスの立ち位置を確かなものにするためにも、さらに連勝を伸ばして勢いに乗りたい。対する千葉ロッテの先発は、5月9日に6回無失点の好投で今季初勝利を挙げたチェン投手。防御率4.76でリーグ最下位に沈むチームの「投」の救世主となれるか。
初回、チェン投手は強力・埼玉西武打線から難なく2死を奪うと、3番・浅村選手に一度もバットを振らせることなく3球三振。文句のつけようがない圧巻の立ち上がりを披露する。一方、野上投手も走者こそ出すものの無失点。両チームの初回は、投手戦を予感させる静かな展開となった。
2回までのチェン投手について千葉ロッテの英二投手コーチは「いい入りができたんじゃないかな。ランナーを溜めての一発は気を付けて、押すところは押して、引くところは引いてね」と、慎重なアドバイス。また、埼玉西武の土肥投手コーチは、序盤の野上投手について「両コーナーにしっかりとした軌道でストレートを投げられている。中盤以降、緩急を使いながら投げていってほしい」と前向きな言葉をかけた。両投手コーチの感触通り、4回まで、スコアボードには次々と0が並んでいく。
試合が動いたのは5回表。1死から1番・秋山選手と2番・源田選手が連打で出塁して1,2塁の好機を作ると、3番・浅村選手が先制適時打を放つ。さらに失策も絡んでなおも1死2,3塁の場面で4番・中村選手が2点適時打。埼玉西武が一挙3得点で試合の流れを引き寄せる。
その裏、先頭の根元選手が左翼への二塁打で出塁し、7番・清田選手が逆方向への適時打を放ち、千葉ロッテがすぐさま1点を返す。
その後の試合展開は再びこう着状態に突入するが、8回裏に先頭の荻野選手が二塁打で出塁。1死から3番・鈴木選手の進塁打で2死3塁とすると、4番・ダフィー選手がシュリッター投手の直球を捉えて左翼への適時打。スコアを2対3とし、千葉ロッテが終盤で1点差に迫る。
1点のリードを守るべく、最終回のマウンドに上がった守護神・増田投手は、3者凡退で危なげなく千葉ロッテ打線の反撃を阻止。土壇場で1点差に迫られながらも逃げ切った埼玉西武が、3対2で千葉ロッテに勝利した。
埼玉西武の先発・野上投手は、6回を投げて被安打5、奪三振4、与死球1、失点1と十分に先発の仕事を果たし、3試合ぶりの勝ち星を獲得。打線がリーグ屈指の破壊力を誇る一方で、投手陣の不安定さが取り沙汰されていた埼玉西武だが、投手力で接戦を制し、今季はこれまでとは一味違うというところを改めて見せつけた。
記事提供: