オリックス宮城大弥が肌で感じた衝撃の投球軌道
今では仲良しの「ろうたん」は、初対面では「佐々木くん」だった。オリックスの宮城大弥投手が、千葉ロッテの佐々木朗希投手と初対面したのは4年前の侍U-18代表だった。「最初の合宿ですかね……? 僕は人見知りだったので、すごく気まずかったです(笑)。佐々木くんとか奥川くんにくっついてました」。にこやかに当時を思い出す。
高校日本代表「侍ジャパン」は、台湾(台北)で行われている「第31回 WBSC U-18 ベースボールワールドカップ」で悲願の初優勝を目指して奮闘している。宮城も2019年に韓国で行われた第29回大会に侍U-18代表として出場。「BIG4と呼ばれていた佐々木、奥川、西純矢、及川……。みんなボールがものすごかったです」。初めて見た“仲間”のブルペン投球に、目を丸くした。
剛球を投じていた佐々木朗を見て「これは出番がないな……」と感じた。「球速もありましたし、変化球のキレとかコントロールも……。表現できないぐらいでした」。衝撃の投球軌道を見て「今の自分の立ち位置が確認できた。現在地を見つめる大会になりました」と振り返った。
その後、宮城は2019年ドラフト1位でオリックスに指名されるが「BIG4がいたので。そのメンバーは絶対にプロで活躍すると思っていた。僕は、追いつけるように必死に……。いや、コソコソ練習をしていました(笑)」。謙遜する笑顔が光る。
2019年9月6日の韓国戦。佐々木朗は、試合前に右手中指を痛めた。先発し、1回を投げたところで降板。宮城は「朗希が(負傷で)降板した時に、初めて(登板の)ワンチャンスがあるかもと感じるぐらいのメンバーでした。僕は、サブキャラだったので……」。大会後、得た経験を胸に努力を重ねた。遠い存在だった「佐々木くん」の隣を、今は堂々と歩いている。
(真柴健 / Ken Mashiba)
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