福岡ソフトバンクが20日のロッテ戦に勝利し、8連勝で首位の座をがっちりキープ。最後に敗戦した4月7日、4位だったチームは一気に「3人抜き」。2年連続日本一の常勝軍団が、本領を発揮しはじめた。
この日のヒーローは和田投手。9回6安打無失点で今季2勝目を、日本球界復帰後初完封で飾った。3回2死満塁から角中を渾身の直球で空振り三振。「全力で行きました」とピンチを切り抜けると、その後はテンポよくアウトを重ねた。マウンドでは時折笑顔ものぞかせるなど、投球を楽しんでいるようだった。初勝利から2連勝。「前回は6回で降りてしまったので、最後までいけてよかった。斐紹のリードどおり投げたら完封できました」と、ヒーローインタビューで女房役を立てながら喜んだ。
和田投手の好投の裏に、打線の集中力もあった。相手先発・二木投手の前に5回までパーフェクトに抑えられていたが、6回、先頭の長谷川選手が中前打で出塁すると、犠打と四球で1死1,2塁。好調の福田選手が右翼へ2点適時三塁打。さらに今宮選手が左犠飛を放ってこの回3得点。タイムリー以外にもそれぞれが繋ぐ役割を果たし、得点劇が生まれた。
4月9日のオリックス戦(鹿児島)から勝ち出したチーム。「3番・柳田、4番・内川、5番・松田」のクリーンアップに加え、6番の中村晃選手、先頭打者として急成長中の1番・福田選手。それぞれ3割前後の打率を記録し、抜け目のない打線が今年もどっしりと軸を作った。
打率はそこまでだが、本多選手、今宮選手の二遊間も忘れてはいけない。2回1死、井口選手の打球を深い位置でつかんだ今宮は、すぐさま1塁へ返球しアウト。小柄だがその強肩ぶりで守備力の高さを披露。そして6回の攻撃では本多選手が四球、今宮選手が犠飛。「内野ゴロでも点が入ると思って余裕をもって打席に立てました。最低限の仕事ができました」と今宮選手。派手な攻撃陣に欠かせないつなぎ役として、存在感を放っている。
8試合で13失点と投手陣の戦いぶりも光る。バンデンハーク投手、武田投手、千賀投手、東浜投手、そして和田投手、17日の楽天戦(ヤフオクドーム)以外はすべて先発投手に勝ち星がついていることに加え、守護神のサファテ投手を中心とした中継ぎ陣も好調。毎試合、投打に日替わりのようにヒーローが変わる福岡ソフトバンク。選手層の厚さで、早くも頭一つ抜けた形だ。
21日は開幕から4連勝と波に乗る涌井投手と相対する。開幕から好調を続けていた千葉ロッテとの首位攻防戦。ここで相手エースをたたけば、開幕から20試合で早くも独走の気配が漂ってくる。
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