29日には千葉ロッテ内が救援に失敗した
現代野球において、チームの勝利にとって不可欠な存在の1人であるのがクローザー。例えば、昨季シーズン記録となる54セーブをマークした福岡ソフトバンクのサファテのような鉄壁の守護神がいるチームはやはり強い。リードを奪って9回を迎えれば、高い確率で勝利を掴むことが出来るし、ゲームプランも組み立てやすい。
チームの「守護神」と言われるクローザーだが、ここにきて、各球団のクローザーの“受難”が続いている。27日に沖縄で開催された福岡ソフトバンク対北海道日本ハム戦では、サファテに代わって抑えを任されている森唯斗が2点リードの9回にサヨナラ押し出し四球を与えるなど、一挙に3点を失って痛恨の逆転負けを喫した。
福岡では29日に千葉ロッテの内竜也が炎上。2点リードの9回に登板すると、相手のバント失敗による併殺がありながらも、4安打を集められて一挙に3失点。最後は上林にサヨナラ適時打を浴びた。その後の2試合は快投でセーブを挙げたが、痛い敗戦だった。
それぞれの事情で4球団で守護神交代となっている
パ・リーグは今季、怪我人や不振などで4球団でクローザーが替わっている。その中で輝くのはオリックスの増井だ。ここまで負けなしで、リーグトップの21セーブ。防御率1.64とし、開幕から安定したピッチングを見せている。千葉ロッテの内も開幕から抑えを務めているが、既に3敗、防御率3.09とやや苦しい成績だ。
埼玉西武は増田の不振に伴い、先発だったカスティーヨを抑えに配置転換。そのカスティーヨも、1日の楽天戦で9回に同点とされるなど安定感を欠いている。北海道日本ハムは開幕当初は石川直が、その後は新助っ人のトンキンが抑えを務め、先発から配置転換された有原を経て、現在は再び石川直を配置。日本ハムはその時々の状態や、将来の育成なども考えた臨機応変な起用となっている。
福岡ソフトバンクはサファテが股関節の手術を受けて離脱し、森がその代役を務めているが、ここまで3敗、防御率4.03。走者を背負う投球が続いている。最年少100セーブに迫っていた松井裕は今季開幕から大不振。5敗を喫し、クローザーからセットアッパーに配置転換、さらには再調整のために2軍降格となっている。
試合を締めくくる役割であるクローザーは、とてつもないプレッシャーの中で投げなければならず、厳しいポジションである。だからこそ、鉄壁の守護神がいるチームは強い。セパ両リーグともに大混戦となっている今季のプロ野球。各リーグで抜け出してくるチームはどこか。そのためには、抑えの安定も1つの重要な要素になってきそうである。
【パ・リーグ】
埼玉西武
増田達至 26試合0勝4敗2ホールド11セーブ 防御率4.91
↓
カスティーヨ 16試合(12先発)6勝4敗1ホールド1セーブ 防御率4.22
北海道日本ハム
石川直也 31試合1勝2敗15ホールド6セーブ 防御率2.93
↓
トンキン 30試合3勝1敗9ホールド12セーブ 防御率1.86
↓
有原航平 11試合(7先発)4勝2敗1ホールド2セーブ 防御率6.41
福岡ソフトバンク
サファテ 6試合1勝0敗0ホールド5セーブ 防御率3.00
↓
森唯斗 32試合0勝3敗3ホールド16セーブ 防御率4.03
オリックス
増井浩俊 36試合1勝0敗6ホールド21セーブ 防御率1.64
千葉ロッテ
内竜也 35試合1勝3敗4ホールド19セーブ 防御率3.09
楽天
松井裕樹 24試合0勝5敗5ホールド2セーブ 防御率5.01
↓
ハーマン 27試合1勝1敗9ホールド7セーブ 防御率1.38
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